さきにお送りしましたメールに、最後の部分が欠落するというトラブルが
ありますので、再送します。
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岡本@金沢大学です。
研究分野の違いによると思いますが、気になったところ(言葉の外延)が
あります。
繁桝さんの記事より:
>(1)あるシステム(例えば、人間)の入力変数をx1、x2、....xpとする.
>また、出力変数をy1、y2、、、yqとする.この間の関係を、
>yj=fj(x1,x2,,,,xp) (+e)によって表す.これが数理モデルである.
>+eを必要とするかどうかは、測定誤差、個人差等の扱いに対する我々の態度の
>表明であるが、人間相手ならば、この項があった方がパターンが見えやすいと思う.
fj を確率変数的な関数と見て+eを含ませて考えることも出来ます。
>数理モデルは、各変数の数値化する手続きがマニュアル化されているならば、
各変数は数値以外のものもよいとしたい。したがって、fjの値も数値以外の
ものも許します。
例えば、Object Pascal(Delphi)というプログラミング言語では関数の引数は
オブジェクトなども使えます。
さらに、数理モデルとしてコンピュータモデルなども含むと考えたいです。
yj=fj(x1,x2,,,,xp)
という形式は、解析関数などで表わせるということではなく、単に、x1,x2,,,,xp
から、yjが予測(決定論的あるいは確率論的)できることの表現と理解します。
解析学的あるいは代数学的な分析ができるモデルだけを数理モデルとする
のではなく、数式や公理系も含めて何らかのアルゴリズムによって記述できる
ものを数理モデルと考えたい。
>ここで、たとえば、y=f(r(x),s(x))+eとコンパクトに書けたとする.このrやsが
>媒介変数である.媒介変数は、記述の簡約以上の意味を持たない.
モデル構成上の形式的手続きとしてはそうでしょうが、関数fで表わされて
いるメカニズム(心理学的過程)の解釈を導入するためのステップとして行い、
構成概念としての意味をもたせる可能性もあると思います。
>かつ、他の人間に、モデルに描かれた因果性と言うか、ストーリーを評価する機会を
>与え、実際に、そのとおりにアクションを起こしてみようかと言う気にさせる<<これ
より後の部分がトラブルの原因のようなので削除>>
このことに関連して、昔のある会議のことを思い出します。
因子分析の結果に基づいて会議の結論が出されたのですが、Communalityの低い
分析結果だったのです。現実の問題としては、統計学的に何%の説明率かという
ことよりも、少しでも効果がありそうであれば試みたいということのようです。
効果量の差を標準偏差との比で評価するとか、全分散の何%が説明されているか
ということは、他に価値判断の基準をもたない統計学内での判断基準ということに
なるのでしょうか?
岡本安晴
C00279 (at) sinet.ad.jp
ここは心理学研究の基礎メーリングリストに投稿された過去の記事を掲載しているページです。