豊田@立教社会です Keizo Hori <hori (at) ec.kagawa-u.ac.jp> さんは書きました: >堀@香川大学経済学部です。 >(1)SEMにおいては因果関係を認定するのではなく、可能性を示唆するもの >だと思いますが、データから説明できる程度との関係でそのモデルがいいから >因果関係があるだろうといっていいものでしょうか。 >つまり、もっとラフいえば、相関係数のように分散のx%以上を説明できてい >るから因果はだいたいありそうだとかいう考えがあってもいいようにも思うの >です。ですから、途中で因果のラインと認めにくい程度の関連性だとそのモデ >ルは因果モデルとはいえないという見方をしてはどうでしょう。 一般的・原則的回答としては,御存じように,飽くまでも「ライバル仮説を排除 できない」状態では「データから説明できる程度との関係でそのモデルがいいから 因果関係があるだろう」とは言えません.しかし因果モデルの見方を変えて より節約的に環境の性質を理解するための知恵(拙著「SASによる..」p54 5.3.4節参照なさってください)という立場をとれば,統制不可能な 事象に関する因果的シナリオが書けます. >(2)豊田さんの最初の説明で、パス解析よりもSEMのほうがいいというのは >モデルのあてはまりのよさをチェックできるからというふうに理解しました。 >では、パス解析のくらべて因果性の面でのチェックとして大きなメリットが生 >じたのでしょうか。安田氏の『社会統計学』丸善ではエラボレーションの話し >がありますが、あのようなタイプの進歩があったと考えていいのでしょうか。 >つまりどっちに線をひいたらいいかの問題ではなく因果性を認定しやすくなっ >たかという問題です。 質問文の中の「因果性の面でのチェック」と「因果性を認定」と「あのようなタイプ の進歩」という言葉の意味をもう少し詳しくお教えください. エラボレーションという技法は,社会学で一般的に扱われる統制されていないデータ の分析に関して,統制されていないことによって生じる「ライバル仮説」を排除 する機能は全くありません.つまりエラボレーションは「どっちに線をひいたらいい かの問題」だけを扱っています.ですから,チェック・認定・進歩とおっしゃる意味が わからないのです. #研究室の引越しをしました.10日間位(昨日まで)メールが使えませんでした. #ボックスを開くと,大量のメールが来ていました.返事を書くファイトがわかず #e−メールへの依存の危険を感じました.新豊田研究室は,今までの2倍位の広さ #で快適です.私は歩いて大学に通っているので,通勤距離も4分の1位短縮され #ました.電話番号が03−3985−2323に替わったほかは,e−メールア #ドレス等,変更ありません.FAXは研究室から遠くなったので,緊急には使え #なくなりました. 追伸:メールの返事かかなかった方,ごめんなさい. ---------------------------------------------------------------------- Hideki TOYODA Ph.D., Associate Professor, Department of Sociology TEL +81-3-3985-2323 FAX +81-3-3985-2833, Rikkyo (St.Paul's) University toyoda (at) rikkyo.ac.jp 3-34-1 Nishi-Ikebukuro Toshima-ku Tokyo 171 Japan ----------------------------------------------------------------------
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