堀@香川大学経済学部です。
re:[fpr 717]
長谷川さん@岡山大は書きました。
>ご無沙汰失礼いたしております。
>今朝の新聞によれば、経済企画庁は1日、暮らしの8領域を都道府県ごとに
>数量化した1997年版の新国民生活指標(通称・豊かさ指標)を発表したそ
>うです。
>さて、8領域それぞれの指数化については、統計的手法を駆使して妥当な
>算出を行っているものと推測されますが、これを単純平均したものが、果
>たして妥当性のある“総合指数”として意味をもつのか大いに疑問に思い
>ます。
このデータの1997年版はWWW上に公開されています。
http://www.epa.go.jp/j-s/doc/1997pli-j-s.html
1996年版のデータも公開されていたのですがなくなっていますね。
1996年版(平成8年版)『新国民生活指標』大蔵省印刷局
では主成分分析をしていましたが、主成分分析の結果は単に載せているだけで
特に考察はしていません。
このときのデータはエクセルで公開されていたので、主成分分析→バリマック
ス回転をしてみました。回転前の第1主成分で36%の分散を説明するので、加
算の1尺度でもそれほど間違ってはいません。
回転後でも上位の福井、富山、は最初の2軸とも上位にあります。東京と青森
,長野はかなり特殊なパタンですが、それ以外はそれほど問題はないでしょう
。(東京は育てる・住むの第2主成分で極端に悪い)
>知能指数と似たような弊害があるような気がします(それとも、単純に、
ステレオタイプ的な見方しかできないならそういうことですね。診断的意味で
はなく、結論付けとしかみれないのですから。それとも情報開示すべきでない
タイプのデータということでしょうか。
内容的妥当性等の妥当性に踏み込む必要はありそうです。
最小自乗法を使うとまたまた共通性が1をこえるよ
今年のデータもエクセルでほしい。
8領域活動領域の場合
回転前
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成分行列(a)
成分
1 2
SUMU .388 .668
TUIYASU .691 -.504
HATARAKU .790 -.429
SODATERU .381 .736
IYASU .437 .460
ASOBU .651 -.256
MANABU .842 -3.511E-02
MAJIWARU .738 .194
Extraction Method: Principal Component Analysis.
a 2個の成分が抽出されました
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回転後の成分行列(a)
成分
1 2
SUMU 1.082E-02 .773
TUIYASU .849 -.101
HATARAKU .899 1.327E-02
SODATERU -2.957E-02 .828
IYASU .155 .615
ASOBU .693 9.604E-02
MANABU .751 .382
MAJIWARU .547 .531
Extraction Method: Principal Component Analysis.
Rotation Method: Varimax with Kaiser Normalization.
a 3回の反復で回転が収束しました。
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香川大学経済学部
堀 啓造
e-mail hori (at) ec.kagawa-u.ac.jp
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