豊田@立教社会です 最近,学会投稿論文審査のガイドライン等に関心をもって資料を調べたりしています. 以前に一度,守さんのウェブページ http://zenkoji.shinshu-u.ac.jp/mori/sampo/sampo-prb.html を訪れ,「「チビクロさんぽ」問題の経緯および『教育心理学研究』編集委員会との やりとりの経緯」を拝見しました.議論の経緯は完全に守さんの勝ちだし,私が審査 委員であったなら(僭越ですが)「採択」の判断をしたでしょう. ひとつ守さんに質問が在るのですが,「何故,不採択通知を受け取った後,別の学術 雑誌(国外も含めて)に投稿なさらなかったのですか?」私がこのような質問をする のは 1.学会には,投稿論文を審査する義務はあっても審査結果を投稿者に納得させる義 務はなく, 2.学術的に大切なことは,米国からの不当な要求がなされた状況で,貴論文が学術 雑誌に迅速に掲載されることであり, 3.このまま「チビクロさんぽ」が商業的に出版されたら,2度と貴論文は,学術雑 誌に投稿できなくなる. からです.測定論を持ちだすまでもなく,論文の審査は,雑誌と審査委員の当たりは ずれは不可避です.だからこそ雑誌を変えてでも載せることが大切で,そうすれば守 さんが正しかったのか『教育心理学研究』編集委員会が正しかったのかは,歴史が決 めてくれるでしょう. 私は,「雑誌と審査委員の当たりはずれは不可避」だからこそ学会には「審査結果を 投稿者に納得させる義務はない」と理解してます.野球の審判と同じです.そうでな ければ私自身論文の審査委員など引き受けられません.幾つか「蹴られて投稿して」 を繰り返せば(和得点の信頼性の定理により)よい論文は必ず掲載されますから,そ れで良いのではないでしょうか? わたしはMLで名指しで質問されるのが,余り好きではないので,時間とその気があ りましたらで結構ですから,守さんのお考えをお聞かせ下さい. ---------------------------------------------------------------------- Hideki TOYODA Ph.D., Associate Professor, Department of Sociology TEL +81-3-3985-2323 FAX +81-3-3985-2833, Rikkyo (St.Paul's) University toyoda (at) rikkyo.ac.jp 3-34-1 Nishi-Ikebukuro Toshima-ku Tokyo 171 Japan ----------------------------------------------------------------------
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