岡本@金沢大学です。
富田拓郎@早大大学院さんの問題提起:
>先日,ある人から
>「心理学的な質問紙は作成の際に,斜交解よりも
> 直交解を使った方が,好ましい.
> 相関分析や重回帰を行う際に,斜交解だと望ましくない」
>という発言を聞きました.
わたしは、社会心理学の先輩から、斜交解が望ましい、と
教えられたことがあります。ずいぶん昔(1970年代)ですが。
但し、次のような現象があります。
3つの直交因子、F0、F1、F2、で、以下のように表わされる変数、
X1a, X1b, X2a, X2b、があるとします。
X1a = F0 + F1 + e1a
X1b = F0 + F1 + e1b
X2a = F0 + F2 + e2a
X2b = F0 + F2 + e2b
このとき、
G1 = F0 + F1
G2 = F0 + F2
とおくと、
X1a = G1 + e1a
X1b = G1 + e1b
X2a = G2 + e2a
X2b = G2 + e2b
となり、G1とG2は直交していません。
つまり、直交3因子の変数であっても、データ分析においては、斜交2因子解
が得られます(cf. 「TURBO Pascal」,岡本、1988, p.136)。
岡本安晴
C00279 (at) simail.ne.jp
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