石田@東北大です. Takuro Tomita 氏は「[fpr 755] 直交解か斜交解か?」において曰く: > 「心理学的な質問紙は作成の際に,斜交解よりも > 直交解を使った方が,好ましい. > 相関分析や重回帰を行う際に,斜交解だと望ましくない」 これは「得られた因子を用いて重回帰分析をするときに,因子間に相関 がある(斜交解だと相関が生じる)と多重共線性が生じてしまってよろし くない」ということなのでしょう. でもって得られた因子を重回帰分析する,と言うのはどういう場合に必 要なのか良く知りません(私は因子分析を使うタイプの分野の人ではない ので)が,私が知る限りでは因子得点を推定する際に行われる場合がある ようです.しかしそれは因子得点を逆算できない主因子解を用いるのが悪 いのではないかと思います.主成分解だと逆行列から代数的に求められる ので,重回帰分析はする必要はなかったはずです(記憶曖昧).その他の 解は良く知りません. まあ因子分析の後にそういった重回帰分析などをする際には,斜交解を 用いた場合は多重共線性の問題が出るのはまちがいのないところでしょう. しかしながらそういった分析をする必要性が私にはよく分かりませんし, それから一足飛びに「好ましい」と言いきることもできないでしょう. > 私は現在の質問紙があまりにも主因子法バリマックス回転 > ばかり用いているので,斜交解をどうして用いないのだろうか > と常々考えていたのですが・・・ こういう考え方が最近の主流のようですね(実際に行われているかどう かは別にして). -- "This night wounds time" 東北大学 情報科学研究科 人間社会情報科学専攻 認知心理情報学講座 石田 翼 <tbs-i (at) cpsy.is.tohoku.ac.jp>, <GHE04441 (at) niftyserve.or.jp> HomePage: http://www.cpsy.is.tohoku.ac.jp/~tbs-i/ Key fingerprint = 74 59 19 BD 78 6B 82 17 E1 6B 26 35 CE 06 B2 94
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