堀@香川大学経済学部です。 おおかたの答えはでているようですが,いくつかつっこみをいれてみます。 Takuro Tomita <894b5091 (at) mn.waseda.ac.jp> さん(1997/07/21 23:30:02)は書 きました: >先日,ある人から >「心理学的な質問紙は作成の際に,斜交解よりも > 直交解を使った方が,好ましい. 尺度を作成するためということですか。尺度作成のためには,多くの方の答え のように斜交解でいいですが,直交解でも大して変わらないのでは。 布置などを見ながらいろいろ解釈するなら,直交解でしょう。 Nunnally,J.C. and Bernstein,I.H.(1994) Psychometric theory. 3rd ed. McGraw-Hill. にあるように。 ところで斜交解のなにを見ますか。パターン行列」と「構造行列」と。尺度を つくるならどっちてもいいということはないです。 C00279 (at) simail.ne.jp さん(1997/07/22 09:41:00)は書きました: > 3つの直交因子、F0、F1、F2、で、以下のように表わされる変数、 >X1a, X1b, X2a, X2b、があるとします。 > > X1a = F0 + F1 + e1a > X1b = F0 + F1 + e1b > X2a = F0 + F2 + e2a > X2b = F0 + F2 + e2b このタイプを > つまり、直交3因子の変数であっても、 こういうのを直交3因子といってもいいのでしょうか? 一般のパッケージで 求めた場合は,直交2因子解になります。 浅野長一郎(1971)『因子分析法通論』共立出版 ではこのタイプを双因子解と言っています。 C00279 (at) simail.ne.jp さん(1997/07/22 09:41:00)は書きました: > つまり、直交3因子の変数であっても、データ分析においては、斜交2因 子解 >が得られます(cf. 「TURBO Pascal」,岡本、1988, p.136)。 このことについて,以前にもやったのですが,簡単なデータを作成して分析し てみました。前は斜交2因子でしたが今回は斜交3因子になるものです.デー タを見るときに「あそうか」と思えるところが私にとってはあらたにでてきま した。機会があれば披露します。 ISHIDA Tsubasa <tbs-i (at) cpsy.is.tohoku.ac.jp> さん(1997/07/22 17:00:37) は書きました: > でもって得られた因子を重回帰分析する,と言うのはどういう場合に必 >要なのか良く知りません(私は因子分析を使うタイプの分野の人ではない わたしもこのタイプには疑問がありますが,使用例は知っています。SD法の 田中靖政氏が大学院の授業で使った論文にありました。おぼろげな記憶では氏 の論文だったと思います。 C00279 (at) simail.ne.jp さん(1997/07/23 14:20:00)は書きました: >守@信州大学さんより: > >> 斜交解は直交解をも含むより柔軟な解ですから、データへのあてはまり は優れてい >>るはずです。 > > あてはまりは、同じです。 本人は納得しているようですが,「データへのあてはまり」ということをいい 加減にいっているのでは。あとで,Shigemasu Kazuo <kshige (at) bayes.c.u-tokyo.ac.jp> さん(1997/07/23 18:35:13)は書きました: >(2)単純構造をより鮮明に達成できる. という指摘の部分をいっているつもりと解釈しましたが。 toyoda (at) rikkyo.ac.jp さん(1997/07/23 16:35:31)は書きました: >この問題に関しては,私自身は >「探索的因子分析は,斜交解があれば直交解はもういらない」 >という考えをもっています. 4因子以内(3因子以内のほうがいい)の解なら,直交解の布置を見るのも意 味があります。データのいろんな面を見る必要がありますが,斜交解ではどう もイメージしにくい。 toyoda (at) rikkyo.ac.jp さん(1997/07/23 16:35:31)は書きました: >80年代中ぐらいまで >(1)パソコンで斜交解をもとめると何十分もかかったこと >(2)プロマックス解のような,分析者の仮説に近い解の得られる回転解が >主流ではなかった>ことの2つが理由だと思います. プロマックス解のkの当てはめについてはどうなんでしょうか。SASはk= 3,SPSSはk=4にしています。この点については浅野(1971,p188 )の本が詳しく書いていますが,現在でも当てはまるのでしょうか。 >...したがって、適切な斜交解を得るためには何とおりかのkの値に関 >し実施してみなければならない。ただ、文献にある経験的知見によると >k=2ではあまりに斜交性が強く、k=3ではカイザー・ディックマン >法に近い結果を示し、より広範な数値例の検証からの一般的知見として >k=4が最適といわれている。他面、データがとくに簡単な構造に基づ >くときは、kの値としては小さいほうがよいということも当然である。 >このように本項(プロマックス法)の方法は、直交解から非常に速く良 >い斜交解を得ることを特徴としている。 プロマックスのこのような側面を理解するのにいい文献があったら紹介してく ださい。 香川大学経済学部 堀 啓造 e-mail hori (at) ec.kagawa-u.ac.jp home page http://fourier.ec.kagawa-u.ac.jp/~hori/
ここは心理学研究の基礎メーリングリストに投稿された過去の記事を掲載しているページです。