[fpr 772] 直交解か斜交

岡本安晴

 
岡本@金沢大学です。
 
 
堀@香川大学経済学部さんより:
 
>C00279 (at) simail.ne.jp さん(1997/07/27 15:43:00)は書きました:
>
>> シミュレーションでデータを生成するときの誤差項の入れ方で3因子以上
>の
>>解になります。
>>  ただし、3次元以上の因子空間が解として得られたとしても、もとの3因
>子が
>>identifyできるかどうかは別の問題です。
>
>大したものではないんですが,単純なもので,元のデータをきれいに再現する
>ものです。
 
  単純なものであっても、因子が全体として3次元空間を動くときは再現できると
思います。
 
例えば、
       Z1 = F0 + F1 + Error1;
       Z2 = F0 + 0.5*F1 + Error2;
       Z3 = F0 + 0.5*F2 + Error3;
       Z4 = F0 + F2 + error4;
ここで、
       F0, F1, F2 は直交因子です。
 
  実際に、シミュレーションで確かめたわけではありませんが、因子空間が2次元
空間から十分離れて3次元空間として、エラー項の張る空間に対して十分大きければ、
元の3因子によって構成される因子空間を張る3因子解を要求するデータが生成
されると思います。
 
 
>> 因子空間がBi-factor theoryに従うことが分かっているときは、それ専用
>の
>>解法が知られています。
>>  念のため。
>
>その点は,浅野氏の文献の引用でわかってもらえているとおもってました。
 
  ハーマンのテキストに従った説明を、授業では紹介してきました。
  Two-factor theory と Bi-factor theory は、授業の導入部分で紹介しています。
 
 
[fpr 771]より:
>でもよくわからないのが,それを直交解と呼んでもいいかということです。
 
  堀さんの誤読、および、引用が不正確であることの問題です。
 
 
[fpr 767]では:
>こういうのを直交3因子といってもいいのでしょうか? 一般のパッケージで
>求めた場合は,直交2因子解になります。
 
となっています。
  「直交3因子」と引用されて、「解」は付いていません。
 
  私の始めの例では、直交3因子F0,F1、F2としています。これは、
モデルとして想定されているものです。「いってもいいかどうか」の問題では
ありません。
  G1=F0+F1 と G2=F0+F2 の2因子は、データから解としてidentifyされる
因子空間の因子です。
  最初に出した例(TURBO Pascal,1988のもの)は、初期値として直交解を
求め(主因子解)、直交回転しているので、2因子の直交解です。
  直交解という座標系で解を眺めると、斜交解(G1とG2)が要求されている
ことが分かるということです。「TURBO Pascal」を確認して頂くと分かります。
「TURBO Pascal」では、Bi-factor理論という言葉を明記しています。
 
  一般には、与えられたデータがBi-factor theoryに従うものであるかどうかは、
それなりの研究成果を踏まえてデータを収集して、分析を進めないと分からない
ものだと思います。
 
 
                                                岡本安晴
                                                C00279 (at) simail.ne.jp
 
 

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