[fpr 781] 制約の仕方

SUZUKI, Tokuhisa

鈴木@日経リサーチです

単純な多重指標モデル:

v1 <-- +----+     +----+ --> v3
       | f1 | --> | f2 |
v2 <-- +----+     +--- + --> v4

を識別させるための制約の仕方(プログラムの指定法)として,

(1)外生変数f1(ξ)の分散は推定すべき自由母数だけれど尺度不定だから
φ=1と制約し,f2(η)の方は関数関係の制約は避けてλ=1とする.
(2)それなら数学的には同じだからシンプルな約束事にして,いつでも各f
の1個のλを1に固定することにして,f1(ξ)の分散は自由母数とする.

の2通りがありますが,共分散構造分析が大衆化してくると(つまり本屋で買
ってきた参考書を片手にデータ解析する人々が増えてくると),
(3)各fの1個のλを1に,かつφ=1に固定する.
というプログラムを書く初学者も出てきて,しかもソフトウエアは黙って違う
標準解を出力する.(逆に,すべて自由母数として書いたりすると,自由度な
どおかしなことになるが,多くのソフトウエアは警告程度はしつつ内部で制約
しながら,標準解だけは正しく出力する).
豊田さんの書かれた入門は一貫して(2)で,狩野さんの書かれた入門は一貫
して(1)であると思います.ところで,(3)の場合は,数理的にはどうい
う状況になってしまうのでしょうか.

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