豊田秀樹@立教大学です 小生は,共分散構造分析という統計手法の理論と応用に関心を持ち,研究を進めて いる者です.このたび仮説検証型アンケートの結果から,共分散構造分析を用いて「 大学生の集団同調性とリーダシップ」に関する因果モデル構成を行いました.モデル 構成は私と,データ解析を学びはじめて2年目の学生とで行いました.以下の要領でコ ロキュームを開催いたします.調査データの統計解析に関心のある方は,是非お運び 下さい.お待ちしております 1997年度第1回立教大学社会学部産業関係学科コロキュームのお知らせ 日時 :1197年11月27日(木曜日)15:00より16:20まで 場所:立教大学池袋キャンパス(東京都豊島区:JR山手線池袋駅西口下車徒歩7分) 1号館(時計台本館:正門を入り正面のツタの付いた建物) 1階, 1106 番教室 講演者:豊田秀樹&豊田研究室 演題 :大学生の集団同調性とリーダシップに関する因果モデル構成の試み −何故リーダシップをとらないのか,何故群れたがるのか− 内容 共分散構造モデル(構造方程式モデル)を用いた研究を行う際に,まずデータを先に 収集しておいて,そのデータを説明するために理論を後から構成することが少なくな い.データを取った後に,探索的な分析を繰り返し,ある程度目安をつけ,モデル構 成を行い,解釈を進めるという研究方法である.しかしこのようなデータ優先のモデ ル構成は,後付けの解説に過ぎない面を有しているために,データの数だけモデルが 乱立してしまう. これに対して豊田,豊田研究室(1996)では,「モデル優先型調査研究」という調査 研究方法を実践している.モデル優先型調査研究とは,以下のような研究方法である. 1.構成概念を定義し,分析対象を明確化する. 2.構成概念間の関係を記述し,構造方程式を特定する. 3.構成概念を測定するための項目を作り,測定方程式を特定する. 4.モデルに合わせてデータを収集する. 5.当初のパス図どおりに計算して適合度を確認する. 6.モデル探索は極力しない. 本研究では,モデル優先型調査を「集団における同調性 〜何故群れたがるのか〜」 「集団とリーダーシップ〜何故リーダーシップを取らないのか〜」という2つの課題 に適用し,因果モデルの構成を行う.豊田,豊田研究室(1996)では,観測変数の数が 約10のモデルを3つ構成し,適合度指標 GFI は0.8台であった.本研究では観測変 数の数を約30まで増やし,適合の良いモデルを構成することを目指す.また,その 過程においてモデル構成における課題や留意点を考察する. 以上 -- ---------------------------------------------------------------------- TOYODA Hideki Ph.D., Associate Professor, Department of Sociology TEL +81-3-39852323 FAX +81-3-3985-2833, Rikkyo(St.Paul's)University toyoda (at) rikkyo.ac.jp 3-34-1 Nishi-Ikebukuro Toshima-ku Tokyo 171 Japan ----------------------------------------------------------------------
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