豊田@立教大学です "A.Kamata" <kamataak (at) pilot.msu.edu> さんは書きました: >大学入試センター試験で日本史Bと地理Bの間で約21点差がついた問題で、同セン >ターが得点調整について「50万人分のデータを計算し、地理Bを選んだ受験生が特 >別学力が高い人たちだったかどうかなどを見極めたうえで実施の有無を決める」とい >う発表をしたことを Asahi (at) com で読みました。 >「特別学力が高い人」というのは、「総合得点が特別高い人」ということと思われま >すが、他の科目の得点が高いことと、特定の科目の得点が高いことを同じ能力と見な >してはいけないように思えます。 >地理のテストはあくまでも地理の学力を測定するテストであり、その得点が数学のテ >ストが測定する学力とは関係ないはずです。もちろん相関があることは確かですが、 >相関が高いことを理由に、「数学や英語で高得点の人がたくさん地理のテストを受け >たので、地理の平均点が高くなった」とは結論できないはずです。 「関係ない」という立場を取るか「係留(アンカー)させる」という立場をとるかは, その入試が実現しようとしている理念の問題ですから.各大学の各募集単位の入試委 員会ごとに判断すべき問題であり,「いけない」とか「できない」という問題ではな いことを,まず踏まえる必要があります.実際,鎌田さんが,もしある大学の入試委 員であるならば,センターからデータをもらったあと「変換を元に戻したり」「科目 ごとに偏差値化して」から合計点を計算すれば,上記の立場の入試を実現できます. 本来,素材を提供する役目の入試センターがとっている措置は,「係留させた,ある いは調整しなくても比較可能と判断された」点から「関係ない」点への変換は容易で も,各委員会でその逆を計算するのは容易でないという事情があるので,良く考えら れていると思います. -- ---------------------------------------------------------------------- TOYODA Hideki Ph.D., Associate Professor, Department of Sociology TEL +81-3-39852323 FAX +81-3-3985-2833, Rikkyo(St.Paul's)University toyoda (at) rikkyo.ac.jp 3-34-1 Nishi-Ikebukuro Toshima-ku Tokyo 171 Japan ----------------------------------------------------------------------
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