長谷川@岡山です。 私も感想を述べさせていただきます。 Toyoda Hideki <toyoda (at) rikkyo.ac.jp>さんは <9801222354.AA00183 (at) TOYODA.rikkyo.ac.jp>において "[fpr 869] Re: 科目間平均点差問題" という題名で、 次のように書いておられます。 >「関係ない」という立場を取るか「係留(アンカー)させる」という立場をとるかは, >その入試が実現しようとしている理念の問題ですから.各大学の各募集単位の入試委 >員会ごとに判断すべき問題であり,「いけない」とか「できない」という問題ではな >いことを,まず踏まえる必要があります.実際,鎌田さんが,もしある大学の入試委 >員であるならば,センターからデータをもらったあと「変換を元に戻したり」「科目 >ごとに偏差値化して」から合計点を計算すれば,上記の立場の入試を実現できます. 現場の立場から言えば、センター試験の地理歴史の成績は、日本史を選択しようが地理を 選択しようが、同じ点数として処理されます。 各大学の入試委員会が個別にセンター試験の問題を自分たちで解いて(解けるかな?) 何らかの変換措置を施すかどうかを決めるのは、現実には不可能であるし恣意性が入る 恐れすらあります。 そういう意味では、選択可能な問題が同程度の「難易度」であることが強く求められます。 今回の措置にあたって、地理Bと日本史Bの受験者の他教科の点数を検討材料にしたのは 「問題の難易差により差が出た」という仮説を積極的に否定する根拠がなかったことを 納得させるための方便のようなものかなあと思います。 というか、得点修正措置自体、正当な統計学的根拠に依るものというよりも、一般世間 に生じる不公平感をなくすための方便のようなものかなあ、などと思ってみたりします。 入試問題の難易度とか高校の教科についての意見は1/23のWeb日記に書きましたので、 よろしかったら御覧ください。 ---------- 長谷川芳典(岡山大学文学部心理学教室) 公用 http://www.okayama-u.ac.jp/user/le/psycho/member/hase/h0u.html hasegawa (at) cc.okayama-u.ac.jp 私用 http://www4.justnet.ne.jp/~hasep/WELCOM.HTM hasep (at) ma4.justnet.ne.jp
ここは心理学研究の基礎メーリングリストに投稿された過去の記事を掲載しているページです。