[fpr 874] 科目間平均点差問題

長谷川芳典

長谷川@岡山です。
私も感想を述べさせていただきます。

Toyoda Hideki <toyoda (at) rikkyo.ac.jp>さんは
<9801222354.AA00183 (at) TOYODA.rikkyo.ac.jp>において
"[fpr 869] Re: 科目間平均点差問題" という題名で、
次のように書いておられます。

>「関係ない」という立場を取るか「係留(アンカー)させる」という立場をとるかは,
>その入試が実現しようとしている理念の問題ですから.各大学の各募集単位の入試委
>員会ごとに判断すべき問題であり,「いけない」とか「できない」という問題ではな
>いことを,まず踏まえる必要があります.実際,鎌田さんが,もしある大学の入試委
>員であるならば,センターからデータをもらったあと「変換を元に戻したり」「科目
>ごとに偏差値化して」から合計点を計算すれば,上記の立場の入試を実現できます.

現場の立場から言えば、センター試験の地理歴史の成績は、日本史を選択しようが地理を
選択しようが、同じ点数として処理されます。
各大学の入試委員会が個別にセンター試験の問題を自分たちで解いて(解けるかな?)
何らかの変換措置を施すかどうかを決めるのは、現実には不可能であるし恣意性が入る
恐れすらあります。
そういう意味では、選択可能な問題が同程度の「難易度」であることが強く求められます。

今回の措置にあたって、地理Bと日本史Bの受験者の他教科の点数を検討材料にしたのは
「問題の難易差により差が出た」という仮説を積極的に否定する根拠がなかったことを
納得させるための方便のようなものかなあと思います。
というか、得点修正措置自体、正当な統計学的根拠に依るものというよりも、一般世間
に生じる不公平感をなくすための方便のようなものかなあ、などと思ってみたりします。

入試問題の難易度とか高校の教科についての意見は1/23のWeb日記に書きましたので、
よろしかったら御覧ください。

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長谷川芳典(岡山大学文学部心理学教室)
公用
http://www.okayama-u.ac.jp/user/le/psycho/member/hase/h0u.html
hasegawa (at) cc.okayama-u.ac.jp
私用
http://www4.justnet.ne.jp/~hasep/WELCOM.HTM
hasep (at) ma4.justnet.ne.jp




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