南風原@東大教育心理です。 岡本@金沢大学 さんが以下のように書いています [fpr 902]: > また、scale typeを扱う分野としてpsychophysicsにおいてもmeasurement >theoryが理論的に重要なものとなっています。measurement theoryにおける >scaleあるいはrepresentationは、データと同じ(isomorphic)構造のものを >数学的構造物(普通は実数)に求める(e.g., Narens, 1985, Abstract >measurement theory)ということですが、scale typeの問題は、これら同じ >ものを表わす(represent)方法の間の関係を扱うものです。 > すなわち、measurement theoryでのscale typeは、与えられたデータの構造と >同じ構造をもつ数学的構造物との関係を問題にしているもので、データから >その心理学的な構成概念に対する情報を読み取ろうとする実験心理学的な >分析におけるものとは必ずしも同じではありません。実験心理学における >理論あるいはモデルは、特定のデータのもつ構造と(isomorphismで対応付け >られているという意味で)同じ構造のものというよりは、そのデータのもつ >構造を含むものと考えることができます。与えられたデータをrepresent >するもの/データと同じものというよりは、そのデータをgenerateしたものと >いうことができます。 こういう尺度の問題も「心理学研究の自己点検」には必要ではないでしょう か。 測定の基礎理論でいう尺度の観点から,心理学研究で用いられている様々な 具体的な尺度の問題をきちんと考えてみたいですね。 --- 南風原朝和 haebara (at) educhan.p.u-tokyo.ac.jp 〒113-0033 東京大学 大学院教育学研究科 TEL:03-5802-3350 FAX:03-3813-8807
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