岡本@金沢大学文学部です。 「[fpr 949] 私の言語履歴」についてです。 豊田さんの御意見に異論があるというのではなく、 ちょっと、こちらの方(Delphiのことですが)にも 気を向けて頂ければと思ってこのコメントとなりました。 >以後 10 年間は浮気をせずに IML 一本槍でした.FORTRAN なら >3,4ヶ月くらいかかるであろうニューラルネットワークの >プログラムも1週間位で書ける言語です(S-Plusと同じ様な言語です). Delphiなら1週間もかからないのでは、と思います。 PDPのDelphiサンプルプログラムを公開を前提として作成したものが あります。近いうちに公開したいと思っております。このプログラムは 去年の秋、基礎心理学会の会場で、ある先生に「お遊びですがニューラル モデルのプログラムをDelphiで作成したものがありますので、準備が できたら御見せします。」と申し上げたときに念頭にあったものの1つ です。出来るだけ早く公開したいのですが、いろいろ事情があって 「未だ」になっています。 >ウインドウズ言語は,憧れていますが,今は諦めています. これは大変なことです。 豊田さんは、リーダ格の研究者として活躍なさるお一人なのです から、このような突き放した表現は誤解を招くので、敢えてこの 記事を書いた次第です。 豊田さんの御関心をWindowsでのプログラミングにも留めておいて 頂くために、私のWindowsプログラミング体験記を書かせて頂きます。 Windowsプログラミングは、まず、Windows3.1でのTurbo Pascal for Windows(TPW)によるプログラミングから始まりました。 TPWの場合、DOS窓を開いて実行するプログラムが簡単に作成できる ようになっていたので、数値計算やデータ分析のプログラムはDOSでの 場合と同じように作ることが出来ました。この機能は、Delphi3では コンソールアプリケーションの作成機能として引き継がれています。 TPWで戸惑ったのは、実験制御のプログラムを作成しようとした ときです。刺激図形をWindowsのディスプレイに表示して、被験者の 反応はWindowsのボタンのクリックでとる、というプログラムなのですが、 これをイベント駆動の考え方でプログラミングするために、DOSでの プログラミングに慣れた方法からの切り替えが必要になりました。 次の戸惑いは、ビジュアルプログラミングです。 ちょっとした事情で、日本ではまだ発売されていないDelphi1.0の ベータ版を使用する機会を得る事が出来ました。当時(2月頃)、まだ アメリカでもDelphiはベータ版しかでていないか、あるいは発売直後 ぐらいの状態でしたが、送られてきたのはCD-ROM1枚だけです。 当時の私はまだWindowsのヘルプを見ることもなく、ただ、画面に 表示されているDelphiのメニュなどのある上部の帯、左下にある オブジェクトインスペクタとかいう妙なもの、右下の変な長方形の 板、を唖然と眺めているだけでした。 どこにプログラムを書くのだろう。 どうにも手の付けようがないので、Delphiのマニュアル(印刷の 形態をとったもの)を手に入れて頂くようにお願いしました。 送られてきたマニュアル(Delphiの英語版のものでした)を 見て、やっとビジュアルプログラミングというものが分かりました。 いま、振り返ると、単に慣れの問題だったと思います。 学生さんがこれからプログラミングに関することを何か 身に付けようとするときは、どれを選ぶにしても慣れが 必要です。 選択肢の一つとしてDelphiも残しておいて頂きたいと 思います。 岡本 安晴 C00279 (at) simail.ne.jp
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