[fpr 952] 私の言語履歴

岡本安晴

岡本@金沢大学文学部です。

  「[fpr 949] 私の言語履歴」についてです。

  豊田さんの御意見に異論があるというのではなく、
ちょっと、こちらの方(Delphiのことですが)にも
気を向けて頂ければと思ってこのコメントとなりました。

>以後 10 年間は浮気をせずに IML 一本槍でした.FORTRAN なら
>3,4ヶ月くらいかかるであろうニューラルネットワークの
>プログラムも1週間位で書ける言語です(S-Plusと同じ様な言語です).

  Delphiなら1週間もかからないのでは、と思います。
  PDPのDelphiサンプルプログラムを公開を前提として作成したものが
あります。近いうちに公開したいと思っております。このプログラムは
去年の秋、基礎心理学会の会場で、ある先生に「お遊びですがニューラル
モデルのプログラムをDelphiで作成したものがありますので、準備が
できたら御見せします。」と申し上げたときに念頭にあったものの1つ
です。出来るだけ早く公開したいのですが、いろいろ事情があって
「未だ」になっています。


>ウインドウズ言語は,憧れていますが,今は諦めています.

  これは大変なことです。
  豊田さんは、リーダ格の研究者として活躍なさるお一人なのです
から、このような突き放した表現は誤解を招くので、敢えてこの
記事を書いた次第です。

  豊田さんの御関心をWindowsでのプログラミングにも留めておいて
頂くために、私のWindowsプログラミング体験記を書かせて頂きます。

  Windowsプログラミングは、まず、Windows3.1でのTurbo Pascal for
Windows(TPW)によるプログラミングから始まりました。
  TPWの場合、DOS窓を開いて実行するプログラムが簡単に作成できる
ようになっていたので、数値計算やデータ分析のプログラムはDOSでの
場合と同じように作ることが出来ました。この機能は、Delphi3では
コンソールアプリケーションの作成機能として引き継がれています。
  TPWで戸惑ったのは、実験制御のプログラムを作成しようとした
ときです。刺激図形をWindowsのディスプレイに表示して、被験者の
反応はWindowsのボタンのクリックでとる、というプログラムなのですが、
これをイベント駆動の考え方でプログラミングするために、DOSでの
プログラミングに慣れた方法からの切り替えが必要になりました。

  次の戸惑いは、ビジュアルプログラミングです。
  ちょっとした事情で、日本ではまだ発売されていないDelphi1.0の
ベータ版を使用する機会を得る事が出来ました。当時(2月頃)、まだ
アメリカでもDelphiはベータ版しかでていないか、あるいは発売直後
ぐらいの状態でしたが、送られてきたのはCD-ROM1枚だけです。
  当時の私はまだWindowsのヘルプを見ることもなく、ただ、画面に
表示されているDelphiのメニュなどのある上部の帯、左下にある
オブジェクトインスペクタとかいう妙なもの、右下の変な長方形の
板、を唖然と眺めているだけでした。
  どこにプログラムを書くのだろう。
  どうにも手の付けようがないので、Delphiのマニュアル(印刷の
形態をとったもの)を手に入れて頂くようにお願いしました。
  送られてきたマニュアル(Delphiの英語版のものでした)を
見て、やっとビジュアルプログラミングというものが分かりました。

  いま、振り返ると、単に慣れの問題だったと思います。

  学生さんがこれからプログラミングに関することを何か
身に付けようとするときは、どれを選ぶにしても慣れが
必要です。
  選択肢の一つとしてDelphiも残しておいて頂きたいと
思います。


                             岡本 安晴
                             C00279 (at) simail.ne.jp


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