[fpr 999] ドライバーの反応時間の分析・検定手法について教えてください

岡本安晴

岡本@金沢大学です。


  [fpr 992]より:

>間違っていたのでしょうか?

    疑問があります。


>心理量の尺度と表面尺度の関係が線形の
>関係にない(言い換えれば、反応時間の分布は心理量の尺度
>としての単位の一定性が保証
>されていない)とみなし、それを線形の関係に近づけるため

  心理量(記憶の確かさ)と表面尺度(反応時間)が線形関係にない、
対数変換によって線形関係に近づける、ということは、個々の反応時間
は記憶の確かさと1対1に対応している、という考え方のように読めます。

  反応時間のモデルにrandom walkを用いたものがありますが、この場合、
心理状態を表わすものの一つであるrandom walkのステップサイズを記憶の
確かさに対応するものと考えますと、同じステップサイズ、すなわち、
同じ記憶の確かさであっても、毎回、反応時間は確率的に変動します。

  記憶の確かさというような心理量と対応するものはステップサイズという
ようなモデルのパラメータであって、個々の反応時間ではありません。
  モデルのパラメータと心理量の関係を線形にするという言い方は意味が
あると思いますが、個々の反応時間と心理量の関係を線形にするというのは
ナンセンスだと思います。

  反応時間の分布を正規分布に近づけたからといって、パラメータと
心理量の関係が線形になることが保証されるということにはなりません。



                                           岡本安晴
                                           c00279 (at) simail.ne.jp


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