南風原@東大教育心理です。 森 敏昭 さんが以下のように書いています: > 以下は、私の最近の感想です。 > 検定の前提条件の問題は、追試による「歴史的検定」という方法もあるのではないかと 思 > います。つまり、1回の実験の1回の検定だけで結論を下さずに、最終的な結論は追試 実 > 験にゆだねることも可能ではないかということです。理論的に重要な実験ならば、必ず 誰 > かが追試をするでしょうし(コストのかかる大がかりな実験の場合には、その限りでは あ > りませんが)、頑健でゆりぎない現象ならば、追試実験でも確認されることでしょう。 「1回の実験の1回の検定」で研究仮説に関して結論が出るかのような見方は 私も問題だと感じています。先行研究に言及するときも「何々が明らかになっ た」という表現がよく見られ,そう簡単に何かが明らかになるのだろうか,と いつも思います。 ただ,上記の議論が「検定の前提条件の問題」とどのように関係するかが不明 です。「頑健でゆるぎない現象なら」という表現がありますが,検定でいう仮 定・モデルからの逸脱に対する検定結果の頑健性とはとりあえず関係ないです よね。 --- 南風原朝和 haebara (at) educhan.p.u-tokyo.ac.jp 〒113-0033 東京大学 大学院教育学研究科 TEL:03-5802-3350 FAX:03-3813-8807
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