岡本@金沢大学です。 [fpr 1006]より: >| > また、これに関して、次の方法はどのようにお考えでしょうか? >| >反応時間がある独立変数によって単調増加する傾向があるとします。 >| >具体的な例としては、メンタルローテーションの反応時間が提示図 >| >形の相対角度差によって増加するようなデータです。 >| > 2つの条件間で反応時間の増加傾向が異なることを調べるとします。 >| >反応時間は独立変数によって直線回帰すると仮定して、共分散分析 >| >で勾配の検定をする方法があります。 >| > これに対して、各試行(被験者ごとなど)に回帰直線の傾き(y=ax+b >| >のa)を求めて、これを条件間でaの平均を比較(多重比較)している >| >ものがありました。 >| > 私個人的には、前者の方法は可能と思いますが、後者は比較可能 >| >と考えて良いのでしょうか? >| >| 上の2つの方法において、 >| >| 反応時間そのものを変換せずに分析する >| >| 正規分布の仮定で問題はない >| >| の2つの前提があって、その上での議論であるとします。 >| >| そうしますと、共分散分析、各試行に回帰分析の傾きを求める、 >| の2つの方法はともに線形回帰モデルを用いていることになります。 > > 両者の結果は、検定の結果も含めて異なる場合があるかと思いま >すが、後者は「変換値による検討」と解釈してよろしいのでしょう >か? 上の私の文章では、いずれの場合も変換値を用いずに反応時間をそのまま 分析するとして書いています。一方は、反応時間、他方は変換値としたら 分析法の問題とデータ値の変換の問題が一緒になってしまって議論が 混乱します。 さて、2つの方法での反応時間(どちらも変換値を用いたとしても同じ です)の分析結果が異なるとしたら、それは線形モデルに設定された仮定 が異なっているということです。その2つの間の違いは、線形回帰モデル を用いて統一的に扱うと明確になると思います。 > コントラストの検定は、初めてなのですが、何か適当な文献があ >ればご紹介頂けないでしょうか? 私が授業の種本にしているのは N.H.Timm (1975) Multivariate analysis with applications in education and psychology. Brooks/Cole. です。 証明のフォローがし易いテキストです。 一般に、多変量解析で重回帰分析での検定を扱った本を見れば コントラストの説明があると思います。 単に、コントラストの使い方の簡単な説明ということでしたら、 拙著(1988) TURBO Pascal. 培風館.第5.1節. 拙著(1998) Delphiで学ぶデータ分析法.CQ出版社.第4章. などを参考にして頂けたらと思います。 昔、20年程前、SPSSでの(共)分散分析は重回帰モデル(回帰分析) で行われていると読んだことがあります。 多分、現在も、SPSSやSASでの(共)分散分析は重回帰モデルに あてはめて行われていると思います。 岡本安晴 c00279 (at) simail.ne.jp
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