高橋知音@信州大教育学部です。初めて投稿します。 反応時間に関する議論を興味深く読ませていただきました。ちょっと議論の本筋から それてくるかもしれませんが、コメントがあったらお願いします。 1. 有意性検定と差の大きさ >ところで,有意性の検定は,差の大きさの実質的な評価を目指す立場とは >指向性が異なりますが,変数変換をしてから検定,というアプローチは特 >にその違いが顕著なような感じがします。この一連の議論のきっかけにな >った異なる条件下での運転手の反応時間の違いについては,サンプルサイ >ズによって有意になったりならなかったりする検定より,反応時間という >具体的な変数に関して差の大きさを評価することのほうが大事だと思うの >ですが・・・。 > これは南風原先生のご発言からの引用ですが、「差の大きさの評価」と言うことにつ いては分析結果にeffect sizeを併記するということでよいのでしょうか。APA manua l (4th edition)にも以下のようにかかれています。"Neither of the two types of probability values reflects the importance or magnitude of an effect because both depend on sample size. (中略)You are encouraged to provide e ffect size information (p. 18) この他になにかよい方法があれば教えてください。 2. 反応時間の分析について 私はlexical decisionやnamingにおける反応時間の実験をやっていますが、わたしが 主に参考にしている文献(主にMemory & Cognition, Journal of Memory and Langua geなどに掲載されたもの)では各被験者の反応時間で平均から2SDはずれたものを除 外して分析するというのが一般的のようです。たまたまある刺激が提示されたときに 夕飯のことを考えていて反応が遅れたようなデータはこの手続きで排除できるという ことなのでしょう。また、一定時間を超えて反応がないと次の刺激が提示されるとい う手続きが一般的であるために、反応時間が際限なく長くなることはないということ もありますね。 「しきたり」は「しきたり」として、時間そのものについて平均を取って比較する際 には、その意味について本質的に考慮しなければならない問題があるということがわ かり参考になりました。 高橋知音 信州大学教育学部
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