豊田@立教大学です 南風原さん,守さん,フォローありがとうございます. "Haebara, T." <haebara (at) educhan.p.u-tokyo.ac.jp> さんは書きました: >南風原@東大教育心理です。 >この研究では,「関係」などの要因がすべて被験者内要因になっているようです。 >すると「関係」という要因の「仲良し」という水準に限定して考えると,残りの >3要因の水準数の積だけ,つまり2×3×4=24個の「変数」があるとみなせ >ます。 >ご指摘の表のタイトルは「項目別要因別平均値」となっていて,問題となってい >る標準偏差は「関係別平均」という見出しの下に括弧に入れられています。そし >て表の注には「( )内は標準偏差」とあります。 >そこで考えられるのは,上記の24変数について個人ごとに平均を求めたものを >「関係別平均」とし,それの標準偏差,つまり個人ごとの平均値の標準偏差を計 >算し,それを括弧に入れて示したのではないか,ということです。 >こういう推理をするより,ご本人に直接確かめるのが一番でしょうが,「こうい >うふうに解釈することもできる」という意見を述べました。(ただ,全員が24 >項目について回答しているわけではなく,系統的に欠損値が発生するデザインに >なっているので,平均をとると言っても単純にはいかないと思います。論文にも >明記されているように「計画的なデータ収集ができなかった」ことが,分析の際 >の障害になっているようです。) p.79, 右ページ下から 11 行目に,「小学生の項目別,および各要因の水準別 平均値と標準偏差を TABLE 1 に示した.」と明記されていますから,( .68)を 平均値の標準偏差と読ませるのは無理です.平均値の標準偏差が表に載ってい るのなら,それとは異なる標準偏差とは書かないはずです.何故,標準偏差で はなく,平均値の標準偏差をここに載せたのかという理由を書くはずです. 著者は被験者内要因を扱っていないと推理されます.その根拠はp.79, 右ペー ジ下から 9 行目に「,一元配置分散分析をしたところ,」とあり,「被験者を ブロックとして」とか「くり返し測定の」という修飾部がなく,分析に際して 被験者内要因の存在に言及していないからです.そもそも,読者が推理を必要 とする論文というのは,大きな問題があります. また,この一元配置分散分析のやりかたには相当に問題 があります.いじめの程度に対する変動要因としては「提示パターン」「関係」 「人数」「背景」「形態」「被験者」と6つの要因があり,この状態で「提示 パターン」だけを要因としてとりあげ一元配置分散分析をすると,残りの5つ の要因のいじめに対する変動は誤差になってしまい(局所管理の逆ということ になり)有意差は非常に出にくくなります.有意差が出て欲しくない文脈でこ れをするのはアンフェアです. -- ---------------------------------------------------------------------- TOYODA Hideki Ph.D., Associate Professor, Department of Sociology TEL +81-3-39852323 FAX +81-3-3985-2833, Rikkyo(St.Paul's)University toyoda (at) rikkyo.ac.jp 3-34-1 Nishi-Ikebukuro Toshima-ku Tokyo 171 Japan ----------------------------------------------------------------------
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