岡本@金沢大学です。 [fpr 1041]より: >45人のクラス(母集団の大きさN=45)でランダムに15人休んでいる状態 >で(n=30)そのクラスの模試の偏差値のチラバリを調べる場合には,不 >偏分散を使うべきです. 上の例の場合、豊田「調査法講義」(1998、朝倉書店)に従うと、 不偏分散ではなく標本分散の方が偏りが少ないということになります。 豊田(1998)は母集団の大きさがNの場合の標本数nの不偏分散が 式(15.4)で与えられることを示しています。 sigma(T)**2 = ((N-1)/((n-1)N)) * 偏差の2乗和 (15.4) ここで、a**bはFortranの演算子でaのb乗を表わします。 このsigma(T)**2に対して、不偏分散sigma**2、標本分散S**2は 次の関係にあります。 sigma(T)**2 * (n-1)N/(n(N-1)) = S**2 sigma(T)**2 * N/(N-1) = sigma**2 N = 45, n = 30 を代入すると (n-1)N/(n(N-1)) = 約 0.989 N/(N-1) = 約 1.023 すなわち、 sigma(T)**2 * 0.989 = S**2 sigma(T)**2 * 1.023 = sigam**2 となり、S**2(標本分散)の方が豊田(1998)の示した有限母集団に対する 不偏分散sigma(T)**2に近い。 岡本 安晴 c00279 (at) simail.ne.jp
ここは心理学研究の基礎メーリングリストに投稿された過去の記事を掲載しているページです。