岡本@金沢大学です。 分散の算出式の選択について、 Hogg & Craig (1978) "Introduction to mathematical statistics" では、標本分散(n-1でなくnで割る方)を採用することの理由が 書いてあります(p.125)。データの1つ1つに1/nの確率を与えて その分散を計算するという考え方の整合性が強調されています。 分散の算出式の問題に関しては、データの分布の記述と推定の 問題を区別するべきだと思います。 データの記述としてはnで割るのでよいのでは、と思います。 母集団の分散の推定の場合は、その分布のモデルを明確に 示す必要があります。 また、推定ですから点推定よりも区間推定の方がよいと思います。 分散が母集団の分布のパラメータの1つであるかのように示されて いるときは、母集団の分布が正規分布であるという前提があるので しょうか。 他の分布、非心カイ2乗分布や、2項分布のときは分布のパラメータ は分散ではなく他のものが用いられています。 岡本 安晴 c00279 (at) simail.ne.jp
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