[fpr 1086] 探索的因子分析

岡本安晴

狩野さん、共分散構造分析プログラムの具体的な使用手順を
お示し下さり、有り難う御座います。

  文中、確認したい個所がありますので宜しく。

>SASやSPSSなどの汎用パッケージではそうなっています.まず,直交解の中
で,
>推定方式に合わせた回転制約を入れて解をときます.それが初期解です.それ
>から,VAIRIMAXやPROMAX解へ変換していきます.

  上の記述ですが、次の記述

>通常,共分散構造分析プログラムで探索的因子分析(らしき
>もの)を実行するには,回転の自由度を殺すため,因子負荷(パターン)行列
>の上三角部分(対角部分を除く)を0におき,因子相関をゼロ(直交解),因
                                            ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
>子の分散を1に固定してRUNします.すると,独自性が正確に求まります.エ
ラ
                                          
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
>ーメッセージも出ないはずです.独自性が求まると,共通性も簡単に求まりま
  ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
>すね.
>
>ただ,共分散構造分析プログラムでは因子回転ができません.従って,共分散
>構造分析プログラムだけでは探索的因子分析は実行できないと考えた方が無難
>です.もちろん,ご自身で回転プログラムを組めばいいのですが.

  と照らし合わせると、「SASや・・・・・・PROMAX解へ変換していきます」
の個所は共分散構造分析プログラムの場合ではなく、因子分析プログラムの
場合についての記述だと思われますが。
  「fpr 1085」では、この点が明記されていません。直前に引用されている
「パラメータ値が・・・・・(斜交)モデルで解を求めるのがよいと
思うのですが」の部分は共分散構造分析モデルの場合のつもりでしたし、
この引用文のある「fpr 1084」は「fpr 1083」に対するものですが、
「fpr 1083」は共分散構造分析プログラムについてのものです。
  これらのことから、私が狩野さんの上の個所「SAS・・・・・」を
読んだとき、てっきり共分散構造分析プログラムの場合についてだと
思ってしまって、ちょっと戸惑いました。


  全体的には次の個所が狩野さんが以前にお書きになったこととの関連で
気になります。

   下に^^を付けた「因子相関をゼロ(直交解)」から「独自性が正確に
求まります.エラーメッセージも出ないはずです.」までのところです。

  「fpr 1079」には、

>現象的にはどちらかというと逆で,因子相関を入れないと識別性が満たされ
>ず,推定できないことがあります.

  とあります。「因子相関を入れないとうまくいかない」とは「直交モデル
だとうまくいかないことがある」ということになります。しかし、直交解
に比べて斜交解の方が制約が緩い、すなわち識別性が悪くなります。
  「fpr 1079」の上の文章は「fpr 1085」の狩野さんの御説明とも矛盾して
いるように読めます。


                                              岡本 安晴
                                              c00279 (at) simail.ne.jp


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