fprのみなさまこんにちは、湯浅です 相関係数の宣伝も含めて[fpr 1174]へのコメント・感想を述べさせて頂きま す。 豊田さんの「研究結果の差の大きさと常識的な値との関係(勝手にまとめま した)」と直接は関係ないのですが、近年医学分野では同等性の試験や非劣勢 試験なるものの有用が国際問題となっています。これは、最初にA治療法とB 治療法の差がΔ以下なら同等とみなすとかいった仮説を立てて、それを検証し ます。すなわち最初にΔなる値が医学的判断や過去の経験より決められます。 しかしそのためには各分野でその範囲をいくらにするかを議論し、合意を得な ければなりません。誰がどこで議論するのでしょうか?統計学者や医者だけで 決めるのでしょうか。患者さんはその議論に参加しなくて良いのでしょうか? など、いっぱい問題を抱えています。それなのに、それは後回しにして議論は 進んでいます。 本題に戻ります、良く言われるように結果に信頼区間を明記するのは大切で す。しかし、それを判断しその結果を利用するのは統計学ではなく、読者自身 でしょう。たとえ統計学的有意差があっても臨床的妥当性(私の造語です)が なければいけません。この問題は相関係数が一区切りしたら、質問しようと 思っていました。「あなたは、研究前に有意水準と検出力を決めて標本数を決 定していますか?」(多すぎても少なすぎてもだめで、自分の受け持ちクラス の人数で標本数を決めてはいけないと言うことです)や「あなたは、臨床的に 妥当な差を決めて結果を判断していますか?」と言ったような質問をしようと 思っていました。 これに関してはもう少し詰めてから質問し直します。変なコメントでしたが 感想を述べさせて頂きました。
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