富田様 伊藤武彦@和光大学 98/09/29 クラスター分析は項目間の距離、ないしは類似性をどのような測度でとるかに よってもさまざまな距離の定義の仕方があります。SPSSでは、一般的な平方ユー クリッド距離の他、ユークリッド距離、都市ブロック距離、Chebychevの距離な ど8種の選択が可能です。 またどのようにクラスタリングを進めていくかで、ウォード法、グループ間平 均連結法、最近隣法(単連結法)、最遠隣法(完全連結法)、グループ内平均連 結法、重心法、メディアン法の7種が選択可能です。あまりにもたくさんの方法 があり、多様であるので、クラスター分析の分類をするためにクラスター分析を しなくてはならないという話もあるくらいです(ないか)。 クラスター分析は分析手法で分類結果が変わったりするので、数学・統計に強 い人には、あまり評判が良くないのかもしれませんが、結果の表現がわかりやす いので、もっと活用されて良いと思っています。結果が違うのは、たとえばKJ 法で、同じ材料からでも人によって分類の仕方が違ってくるようなものとたとえ られないでしょうか? 距離行列によって分類するための方法として、MDS(多次元尺度法)もあり ます。こちらはオートで分類されるのではなく、2次元にプロットされた各項目 を、KJ法的に自分で島をつくって分類する楽しみがあります。 おまかせ派はクラスター分析、自作派はMDS、ということでいかがでしょう か? -- Takehiko ITO, Ph.D. Associate Professor of Psychology, Department of Human Development Wako University, 2160 Kanaicho, Machida City, Tokyo, 195-8585 Japan Phone:044-988-1431 Home Phone/FAX:044-951-1904 E-mail:itot (at) wako.ac.jp
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