[fpr 1233] RTDの感想

岡本安晴

岡本@金沢大学です。

  "[fpr 1232] RTDの感想"より:

>・加法と乗法だけの世界では(名義尺度を加えて)4通りしかないという
> ことだと思うのですが、その枠を取り除けば無数の尺度があると考えて
> よいのかふと疑問に思いました。

  はい、ある条件のもとでそれだけしかないということです。
  数理心理学では珍しくないことですが、条件を変えると結論も異なります。


> log-intervalとratioはどう違うのか、(2,1)はどうなったのか、よく分
> かりませんでした。

  ratio scaleでは2つの尺度xとyの間の変換は
                  y=ax
ですが、log-intervalでは対数をとるとinterval scaleの変換
            log(y) = a*log(x) + b
すなわち、
                 y = b*(x**a)
という変換がxとyの変換になります。ここで、x**aはxのa乗を表わします。
  但し、(1,2)のときは任意のlog-interval変換ということではありません(
Niederee,1994,Journal of Mathematical Psychology,p.535; Luce and Narens,
1985,Journal of Mathematical Psychology,p.27;参照)。

  (2,1)については、最初の2は、任意の2点が同順の他の任意の2点に
移すことが出来るということを表わします。後の1は、1点の値で変換が
決まるということです。従って、1点で変換が決まるとき、任意の2点を
他の同順の任意の2点に移すことは一般にはできません。つまり、(2,1)
ということはありえません。


                                   岡本 安晴
                                   c00279 (at) simail.ne.jp


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