堀先生のお話に補足(になるかな?) > >従来の質問紙法が,ペーパメディアである為に生じる問題 > >1.被験者が,空間的かつ時間的に,局所的になってしまう > >2.試験者と被験者との相互間系が生じる > >3.解答時間に関する考察が難しい > >等を取り扱っていらっしゃる > >研究者の方の最新の論文などを現在探しております. > > 大学2年生ですからしかたないでしょうが、いくつか問題が錯綜しているようです。 > > 質問紙法で個々の時間を測るということをしているのでしょうか?そのような例が > あったら教えてください。個々の反応時間を測定する場合は他の方法がとられている > はずです。例えば、タキストとかコンピュータとかです。ユングの連想法でもいわゆ > る質問紙法ではないはずです。つまり反応時間を重視するなら、他の方法と比較すべ > きでしょう。 私はSD法を多用しています.で,質問項目によって反応時間が異なるというのは おもしろいところですし,実際にあります. 評価(評定)させる対象と,用いた形容語の意味との関係によって つけやすいのとつけにくいのがあります. で,発想は大変おもしろいのですが, 残念ながら堀先生がいわれるような問題がwebベースだと,特に増幅されると考えます. つまり,webベース,非実験室状況では,被験者がどのような状況で質問紙に 記入するかがまったく統制がとれません. ふんぞりかえってお茶でものみながら,ゆっくり記入するひともいれば, かなりあわてて記入する人もいるわけです. そのような統制のない状況で,解答時間を考察することが意味があるのか,ということです. なんらかのタスクに対する所要時間を統制して測定するということは, 実験心理学でも基本ですし,実用面では人間工学で長年にわたるたくさんの研究があります. それらを参照して考慮してみて下さい. >1.被験者が,空間的かつ時間的に,局所的になってしまう ことについては, いつでも,どこでも,評価(もしくは実験)ができるということがメリットです. しかし,だれでもできるという部分については大いに考えなければなりません. たとえば,社内や学内で,人間を一箇所にあつめて記入してもらうのは 大変なので,いつでも好きなときにやっておいてくださいというのには まことに都合が良いと思います. しかし,“だれでも”,ということについてはかなり慎重にならなくてはいけません. 普通は質問紙調査は,調査して分析したい内容について,それと関連があると思われる 対象者,対象属性を考慮して,その数,分布を統制して行うものです. したがって堀先生の言われたように, “質問紙法は局所的になってしまうのはそうしているからで”す. すくなくとも,不特定(属性)多数が参加するのであれば, 慎重にフェイスシートを設計する必要があります. そしてそれは,私の経験からいってもかなり難しいです. なにが見たいかを,とことんまでクリアーにする必要があります. 以上,補足意見でした 石原茂和 尾道短大
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