[fpr 1333] 因子分析のサンプル数

堀啓造

堀@香川大学経済学部です。

亀レスです。

re:[fpr 1324] 
Kazuhito Yokoyamaさん wrote ;

>因子分析に最低必要なサンプルサイズについては経験的に
>抽出因子数の3〜10倍と言われているようですが、自分の
>論文中に、査読者の指摘に応じて、この点を明示した英語
>の原著論文ないし総説を引用しようと思って、はたと困っ
>てしまいました。


一応変数数とサンプル数の関係については、本として

Hair.J.F.Jr., Anderson,R.E.,Tatham.R.L., and Black,W.C. 1998
   Multivariate data analysis. 5th ed. Prentice Hall.
Kline,P. 1994 An easy guide to factor analysis. Routledge.
があります。

 相関係数の信頼区間からして、サンプル数は200程度はほしい。Kline(1994,p73)に
よると、明確な因子構造をもっている場合は100でもいい。50以下は考えられない。

 変数数との比率についてはいろいろ意見がある。上の条件を満たしているとして、
変数が多いため、追加する場合の目安と考える。10:1から2:1までの説がある(Kline,
1994,p74)。Hair et al.(1998)では最低で変数の5倍であり、10倍以上ならあまり
問題がない。

お尋ねの因子数との関係では Kline の本に指摘があります。

 変数数との関係より因子数との関係が重要という研究もある。因子数の20倍以上
であるべきとのこと(Arrindel & Ende,1985)。

ということで、未見ですが、Arrindel & Ende,1985 該当する論文でしょう。シミュ
レーションをしているそうです。

Arrindel.W.A. and Ende, van der J. 1985 An empirical test of the utility of 
the observations-to-variables-ratio in factor and components analysis. 
Applied Psychological Measuremetn,9,165-78.

もしも因子数と変数の数の関係なら、Gorsuch(1988) は1因子あたり6変数という数
字をあげてます。これは計画的に因子をだす場合ですが。

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