[fpr 1376] 本質的なアンバランス

南風原朝和

南風原@東大教育心理です。

Toyoda Hideki さんが以下のように書いています:

》豊田@立教大学です
》
》バランスの取れていない分散分析の解釈に関してどなたか教えてください.
》発達・臨床関係の心理学の調査分野の分散分析で相談をうけると,まず確実
》にバランスがとれていないデータを見せられます.

《中略》

》(上記の相談は非常に多いので,最近では,上記の場合は「価格」と「魅力」を
》離散化せず,連続変数として作り,重回帰分析をして,「拙著,共分散構造
》分析,入門編,P43」の10分類で解釈をすすめることにしています.い
》まのところ,連続変数として扱える場合は問題が解決していると思っていま
》す.この点に関しましても何かコメントがあればお願いいたします)

連続変数化して重回帰分析にもっていくのは,離散化に伴う情報のロスと離散化
の仕方の任意性を避ける上では有効だと思いますが,アンバランスの問題の本質
的な解決にはならないのではないでしょうか。分散分析の枠組みで言えば,重回
帰分析は,交互作用のない加算的なモデルを設定した上で(通常は)タイプIIIの
平方和を用いる方法と言えると思います。特に交互作用に関心がある場合には,
上記のようなアドバイスをもらっても困るのではないでしょうか。

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南風原朝和 haebara (at) educhan.p.u-tokyo.ac.jp 
〒113-0033 東京大学 大学院教育学研究科
TEL:03-5802-3350 FAX:03-3813-8807

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