鈴木@日経リサーチ です. Tacq, J.(1997) Multivariate Analysis Techniques in Social Science Research. SAGE. この本,大昔に注文してすっかり忘れた今になって丸善が「入荷しました」 というので引き取りに行きました. この本では,Kaiser's criterion と言ってますね(p.280). 帰り際, 三土修平(1998)『初歩からの多変量統計』第2刷(日本評論社) を手にすると,冒頭に【お断り】として因子分析の事例が不適解だけれど…… という注釈が追加されていた.初版には【お断り】はなかった. 読者であるエッソ石油の池間氏が指摘したそうだ.不適解は2例あって,1つ は4変数2因子で,直交回転解の因子負荷が1を超えているのですぐに分かり, 我々の間でも話題になっていたが(4変数2因子をEFAで識別させるとは), もう1つの18変数の方は因子負荷を見ただけでは気がつかない.池間氏は18変 数の相関行列を自分で入力して再分析・確認したのでしょう.不適解の事例を 自覚的に掲載した初めての教科書でしょうか. 小説家でもある著者のデータ例は岡本孝子の曲のデータだけれど, 音楽のダメな小生にはかえって親近感がなく残念.
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