岸本@SASです。 全く蛇足の話ですが、反復測定の解析法について今から学ぶのであれば 混合モデルの勉強をされることをお薦めします。反復測定の解析法は、 歴史的に 1.分割実験のデータとして(球面性を仮定して)分散分析 2.自由度を調整した1変量検定 多変量検定 3.混合モデルの最尤推定 という順で進化してきました。小林さんが 2.の方法論も論文中で目に されないのは、おそらく 1.の方法で満足している研究者が多いからで しょう。ところで、2.の方法には、欠測データがあると扱えないという (分野によっては)重大な欠陥があります。たとえば、ある患者さんが1週間 おきに病院を訪問してそこでデータをとるという状況で、患者さんの都合に よって来院されないということが非常に頻繁にあります。1回でも欠測が あるとその患者さんのデータをまるごと捨てなければならないというのでは 実用になりません。混合モデルの最尤推定による方法にはさまざまな応用・ 拡張・利点がありますが、最大の特徴は欠測があるデータ(極端な場合、 1回しか測定していないデータ)でも解析に寄与できることです。 もし混合モデルによる反復測定データの解析にご興味があれば、 岸本 淳司(1996) PROC MIXED 入門, SUGI-J'96/IDS Conference'96論文集, 日本SASユーザー会. を一読してください。 混合モデルは新しい方法なのでよい教科書がなかったのですが、最近は Littell,R.C., Milliken,G.A., Stroup,W.W., and Wolfinger,R.D.(1996) SAS System for Mixed Models, Cary, NC: SAS Institute Inc. Verbeke,G., Molenberghs,G.(Eds.)(1997) Linear Mixed Models in Practice A SAS-Oriented Appproach, Springer-Verlag. のような良書が出版されています。 ξ ■ゞ(^_^) Kishimoto SAS Institute Japan The opinions expressed here jpnjak (at) jpn.sas.com 1-13-1 Kachidoki are mine and not necessarily (03) 3533-3831 Chuo-ku Tokyo 104 those of SAS Institute.
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