豊田@立教大学です
"Haebara, T." <haebara (at) educhan.p.u-tokyo.ac.jp> さんは書きました:
>南風原@東大教育心理です。
>変数の積を予測式に入れることによって,交互作用を表現・評価
>する方法が紹介されましたが,2点ほど質問させてください。
はい
>質問1:説明変数間の相関が問題になるのは標本のレベルであって,母集団の
>レベルではないと思います。したがって,2変量正規分布においてxyがxお
>よびyと無相関になるとしても,そこから得られた標本では必ずしも無相関に
>はならないので,xyの説明率を上記のように単純に求めることはできないの
>ではないでしょうか。
xとxy,yとxyの標本共分散はゼロにはならないのですが,
母数によって構造化された(母)共分散行列には仮定より
そのような制約をいれます.以下が,標本共分散行列が与
えられたときの,モデルの制約が入った(母)共分散行列
の推定値です.シグマ・シータ・ハットです.
z x y xy
z 6.43782 3.31387 -0.64615 0.80350
x 3.31387 2.32335 -0.56663 0.00000
y -0.64615 -0.56663 1.45424 0.00000
xy 0.80350 0.00000 0.00000 4.02157
>質問2:z' = a + b(X-Xbar) + c(Y-Ybar) + d(X-Xbar)(Y-Ybar) という予測式
>においてdが正になることをもって,集団の平均からの偏差がxもyもプラスで
>積がプラスになる人(自信がなくて孤独な人)と,偏差がxもyもマイナスで積
>がプラスになる人(自信があって孤独でない人)が,zに関して同様な傾向をも
>つと解釈していますが,このような解釈は妥当でしょうか。
>予測式を仮にxとy
>の素点を用いて z" = a' + b'X + c'Y + d'XY とすると,d' = d となると思い
>ますが,この後者の予測式からは上記のような解釈は出て来ないですよね。
はい,出て来ません.d'の解釈は難しいです.
>前者
>の予測式は予測曲面においてなんら特別な点でない (Xbar, Ybar) に何か特別な
>意味があるかのように思わせ,解釈を誤らせる危険があるように思うのですが...。
特別な点だと思うのですが,,,,,.
平均を中心に自信があるほうとか,ないほうとか,孤独なほうとか,孤独でないほうとか
それによって符号の積に意味がでてくるという研究仮説です.
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TOYODA Hideki Ph.D., Associate Professor, Department of Sociology
TEL +81-3-39852323 FAX +81-3-3985-2833, Rikkyo(St.Paul's)University
toyoda (at) rikkyo.ac.jp 3-34-1 Nishi-Ikebukuro Toshima-ku Tokyo 171 Japan
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