豊田@立教大学です 私的伝言を以下に少し書きます.興味に応じて適当に読飛ばして下さい ここから======================================================== 豊田のホームページ http://ir.sr.rikkyo.ac.jp/~toyoda/ http://www.ir.rikkyo.ac.jp/~toyoda/ http://toyoda.rikkyo.ac.jp/toyoda.htm は,このたび閉鎖することになりました.ご愛顧ありがとうございまし た.再開の予定は今のところありません.リンクを張って下さっている 方は,お手数ですが削除してください.また toyoda (at) rikkyo.ac.jp のメールアドレスは 3月12日以降使用しなくなります.これにともない 数日後に fpr ML より退会いたします.これまで議論を通じて多くのこ とを教えて下さったMLのメンバーに御礼申し上げます.そのうち戻っ て来ます,そのときはまた宜しくお願いします.ひとまず,さようなら です.お元気で. =========================================================ここまで 交互作用項 xy を含むモデル z = a + bx + cy + dxy + e は,xとyとxyを(場合によってはzも)因子(潜在変数)として表現する ことができます.話が複雑になるので省略していたのですが,私は4つの 変数を潜在変数として計算していました.共分散構造モデルにおける非線 形・交互作用の扱いは, Etezadi-Amoli, J., \& McDonald, R. P. (1983). A second generation nonlinear factor analysts. {\it Psychometrika,} {\bf 48}, 315-342. や Kenny, D. A., \& Judd, C. M. (1984). Estimating the non-linear and interactive effects of latent variables. {\it Psychological Bulletin,} {\bf 96}, 201-210. などで提案されました.どちらも直接観測することのできない構成概念の 観測変数に対する非線形な影響,交互作用的な影響を推定するモデルです. ただし80年代のこれらのモデルは理論的には興味深いものであっても,応 用的にはあまり注目されませんでした.当時の応用環境の水準では道具立 てが複雑であったためです.また解釈的含意という点からもモデルの数理 的な性質が必ずしも明確でありませんでした. 90年代半ばになり,手軽に扱う方法が相次いで提案されました.まず Bollen, K. A. (1995). Structural equation models that are nonlinear in latent variables: A least squares estimator. In Marsden P. V. (Ed. ) {\it Sociological methodology} 1995 (Vol. 25, pp. 223-251). Oxford, England: Basil Blackwell. が道具的変数を利用した方法を発表し, Bollen, K. A., \& Paxton, P. (1998). Interactions of latent variables in structural equation models. {\it Structural Equation Modeling}, {\bf 5}, 267-293. で一応の完成をみています.この方法は,SEMのSWではなく2段階最小2乗 法のSWを用いて,手軽に非線形・交互作用の効果を調べられるばかりでな く,非線形・交互作用の具体的な形状にも拘束されない方法です. またPing, Jr. R. A. (1996). Latent variable regression: A technique for estimating interaction and quadratic coefficients. {\it Multivariate Behavioral Research,} {\bf 31}, 95-120. は,事前情報として変数の信頼性を用いる方法を, Ping, Jr. R. A. (1996). Interaction and quadratic effect estimation: a two step technique using structural equation analysis. {\it Psychological Bulletin,} {\bf 119}, 166-175. ではSEMのSWで2段階に分けた推定法を提案しています.これらの方法は道具 立てが易しいので応用的に利用しやすい方法です.SEMにおける非線形・交 互作用モデルを専門に論じた成書 Schumacker, R. E., \& Marcoulides, G. A. (1998). {\it Interaction and nonlinear effects in structural equation modeling} Hillsdale, N.J.: Lawrence Erlbaum Associates. も出版されており,益々発展する分野であると思います. 現在のところ真打は,何といっても J\"oreskog, K. G., \& Yang, F. (1996). Nonlinear structural equation models: the Kenny-Judd model with interaction effects. in pp. 57-88. Marcoulides, G. A. , \& Schumacker, R. E. (Eds. ) (1996). {\it Advanced Structural Equation Modeling: Issues and Techniques.} Hillsdale, N. J. : Lawrence Erlbaum Associates. です.この方法は Kenny \& Judd(1984)の方法を洗練したものであり,従来型 の共分散構造モデルの素直な拡張になっており,統計モデルとしての役割も明 確です.CALISやLISRELなどのソフトだけで実行できるのも便利です. -- ---------------------------------------------------------------------- TOYODA Hideki Ph.D., Associate Professor, Department of Sociology TEL +81-3-39852323 FAX +81-3-3985-2833, Rikkyo(St.Paul's)University toyoda (at) rikkyo.ac.jp 3-34-1 Nishi-Ikebukuro Toshima-ku Tokyo 171 Japan ----------------------------------------------------------------------
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