岡本@金沢大学です。 前から気になっていたことをちょっと調べてみました。 学生の卒論などを見ていると、分散分析もパソコンを使って 簡単にできるためか、随分複雑なデザインを用いるものが 少なからず見られます。 いま、3要因の分散分析で、どの要因の効果もない場合の シミュレーションを行ってみると、以下の結果になりました。 5%水準で有意に効果の認められた頻度の比率です。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 主効果A 4.74% 主効果B 4.51% 主効果C 5.21% 交互作用AB 4.92% 交互作用AC 5.01% 交互作用BC 5.03% 交互作用ABC 5.02% いすれかの要因で有意であった場合 29.64% −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− それぞれの主効果、交互作用に有意に効果のみられた比率は 比較あたりの第1種のエラーであり、有意水準の値に対応する 約5%になっています。 いずれかの要因で有意ということは、個々の分散分析内に おいてどれかの要因が有意になるということですが、本来 どの要因も効果がないという条件で生成されたデータに対しての ものですので、実験あたりの第1種のエラーのことになります。 この頻度が約30%の値になっています。 要因数の増加にともなう実験あたりの第1種のエラーの 確率の増加は無視できません。 なお、上のシミュレーションで用いたプログラムは http://www.users.kudpc.kyoto-u.ac.jp/~e50048/SmplJASJ/ にアップロードしてあります。 金沢大学文学部 岡本安晴
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