[fpr 1436] 分散分析における要因数の問題

岡本安晴


  岡本@金沢大学です。

  前から気になっていたことをちょっと調べてみました。

  学生の卒論などを見ていると、分散分析もパソコンを使って
簡単にできるためか、随分複雑なデザインを用いるものが
少なからず見られます。

  いま、3要因の分散分析で、どの要因の効果もない場合の
シミュレーションを行ってみると、以下の結果になりました。
5%水準で有意に効果の認められた頻度の比率です。

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                      主効果A          4.74%
                      主効果B          4.51%
                      主効果C          5.21%
                      交互作用AB      4.92%
                      交互作用AC      5.01%
                      交互作用BC      5.03%
                      交互作用ABC    5.02%

    いすれかの要因で有意であった場合   29.64%

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  それぞれの主効果、交互作用に有意に効果のみられた比率は
比較あたりの第1種のエラーであり、有意水準の値に対応する
約5%になっています。
  いずれかの要因で有意ということは、個々の分散分析内に
おいてどれかの要因が有意になるということですが、本来
どの要因も効果がないという条件で生成されたデータに対しての
ものですので、実験あたりの第1種のエラーのことになります。
この頻度が約30%の値になっています。

  要因数の増加にともなう実験あたりの第1種のエラーの
確率の増加は無視できません。


なお、上のシミュレーションで用いたプログラムは

  http://www.users.kudpc.kyoto-u.ac.jp/~e50048/SmplJASJ/

にアップロードしてあります。


金沢大学文学部
岡本安晴






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