麓 信義 さんが以下のように書いています: 》 第1種の誤りの可能性を5%水準に維持するためにBonferroniの調整に従っ 》て、p<0.0065(0.05/8)とした、という記述があります。イメージはわかるので 》すが、確認しようとしていくつかの統計書の索引を見ましたが、載っていませ 》ん。 帰無仮説が真のとき5%水準でその仮説を検定すれば,95%の確率で正しい 結果が得られます。いま5%水準で8通りの検定をするとして,それぞれの検 定において帰無仮説が真で,かつ,それぞれの検定結果が互いに独立だとする と,それら8通りの検定のすべてで正しい結果が得られる確率は .95 の8乗で, 約 .66 となります。ということは,少なくとも1つの検定で誤って有意な結果 が出てしまう(第1種の誤りを犯してしまう)確率は 1-.66=0.34 ということで す。この「少なくとも1つの検定で第1種の誤りを犯す確率」をもっと低くした いのなら,個々の検定をもっと厳しい水準で行わなければならないことになりま す。たとえば,上記のように .05/8=.00625 を危険率として8通りの検定を行う とすると,「少なくとも1つの検定で第1種の誤りを犯す確率」は(1-.00625)の 8乗を1から引いて,.049となり,5%に近い値となります。このように,「少 なくとも1つの検定で第1種の誤りを犯す確率」をαとしたいとき,遂行する検 定の個数でこのαを割った値を危険率として個々の検定を行えば,「少なくとも 1つの検定で第1種の誤りを犯す確率」がα以下に抑えられるということが分か っています。 --- 南風原朝和(haebara (at) educhan.p.u-tokyo.ac.jp) TEL&FAX:03-5841-3920 〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1 東京大学大学院教育学研究科
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