岡本@金沢大学です。 "[fpr 1466] 一対比較法について"より: >一意性の係数が10名のち8名は有意であ >るという結果が導けました。 一対比較がサーストンのモデルに従って行われると すると、比較判断にはランダムな変動が伴うことに なります。 一意性の検定において、このランダムな変動を 考えると、サーストンのモデルに従って比較判断を 行う人は、100%の確率で一意性の検定で有意に なるとは限らないということになります。すなわち、 検出力が100%でないということです。 10人の人に個別に一意性の検定を行ったとき、 10人全員が有意になる確率を独立性を仮定して 求めてみます。 0.999**10 = 0.99 0.99**10 = 0.90 0.9**10 = 0.35 0.8**10 = 0.11 となりますから、検出力が90%のときは10人全員が 有意になる確率は約35%です。検出力として普通用い られる80%の値のときは10人全員が有意になる確率 は約10%です。 つまり、10人全員が本来一意性の検定で有意になる はずの場合でも、1人や2人が有意にならなくても 不思議ではないということになります。 検定を多数行うときは注意が必要です。 金沢大学文学部 岡本安晴
ここは心理学研究の基礎メーリングリストに投稿された過去の記事を掲載しているページです。