堀@香川大学経済学部です。 熊野 道子さん wrote ; > 1.カテゴリー数が奇数で、真中(ふつう、どちらともいえない)の語句がある。 > 2.カテゴリー数が5以上 > >また、主成分分析の説明では、「主成分分析では、5段階評価、7段階評価に主成分分 析を行うのが望ま >しい。段階数が少ないと、分散・共分散行列あるいは相関行列の信憑性がなくなり、ま ちがった主成分を >発見することがある」(p147)と書かれています。 > >4件法、6件法を用いたデータは、主成分分析、因子分析、重回帰分析など、多変量解 析には、使えない >でしょうか? ちょっと違うテーマでしたが,今年の日本教育心理学会大会(甲南女子大学)において, 村上隆さん@名古屋大学の小講演 「カテゴリー反応の「因子分析」−−Likert尺度は無反省な数量化か? 日本教育心理学会第41回総会発表論文集, p93 がありました。そこでは,何件法という問題はまったく扱いませんでした。 リッカート法を因子分析で処理するのはおおむねokでしょうという話がありました。もち ろん,無制限にかまわないという話ではなかったですが。 村上さんの場合,「因子分析」(「」つき)は,主成分分析+回転を念頭においているよ うでした。このあたりはおそらく別の話ということでしょうが。ちなみに最尤法(ml)は多 変量正規分布の仮定がありますが,そのほかの最小自乗法(uls)などでは多変量正規分布 を前提にしていません。主成分分析も前提にはしていなはずですね(<all)。だからと いってなんでもいいわけでもなさそうです。 このときの例として, SAS の proc prinqual を使っていたのですがSPSSとはどうも違うようです。spss の option categories に含まれる princals を使ってみたのですが,変数を mnom (multiple nominal)に割り当てると,Homals と同じ結果になるようです。固有値も変わ りません。結果としてみごとに馬蹄形のプロットができました。 この話は数量化3類の場合は基本的に1次元を求めるものである。多次元を求める場合は といって難しい式を出してきて,これを求めるソフトはすでにあって, SASの proc prinqual であるということでした。 さて,本題の何件法が因子分析に向くかという議論は 萩生田伸子・繁桝算男 1996 順序付きカテゴリカルデータへの因子分析の適用に関するい くつかの注意点 心理学研究、67, 1-8. にあります。 Bentler の次の議論も参考に。 http://bama.ua.edu/cgi-bin/wa?A2=ind9701&L=semnet&F=&S=&P=3844 両者とも2,3の場合には問題があると考えているようです。 言及されていることと関連の議論は次のところにあります。 [fpr 202] Re: Likert (1996年2月)堀 [fpr 288] Re: quant 3 etc. (1996年5月)堀 [fpr 663] Re: multiple regression (1997年2月)豊田さん http://www.nuis.ac.jp/~mat/fpr/ で探してみてください。 ps.村上隆さんの教育心理学会での発表は VelicerのMinimmum Average Partial(MAP)を 使ったものでした。これを考える最小因子数として幅をもって選ぶというものです。 MAP にも問題があることも指摘してあります。 村上隆・野上康子(1999) 心理学的個人差尺度構成のための主成分分析の使用について (1)(2) 日本教育心理学会第41回総会発表論文集, p557-558 ---- 堀 啓造(香川大学経済学部)e-mail: hori (at) ec.kagawa-u.ac.jp home page http://www.ec.kagawa-u.ac.jp/~hori/ 電話番号 087-832-1894(直通) fax 087-832-1820(事務室) 〒760-8523(これで香川大学経済学部)
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