[fpr 1536] ハンバーガーと1000円

岡本安晴



  岡本@金沢大学文学部です。

>道を歩いていたらハンバーガー食べていってくださいといわれて、ビルの
>一室に連れて行かれ、食べた後SDデータを取られたことあります。昼ご
>飯の代わりになったし、1000円もらったので満足したのですが、100人
>データをとっても10万円ですから、企業にとっては安いのでは。。と思っ
>いました。

  私は、ジュース一杯だけでした。
  金沢の場合は、調査費用を東京よりははるかに安くできるようです。

  金沢のファーストフードのチェーン点でアンケートを
とられたのですが、このような状況でどのような方法で
アンケートがとられるのか興味をもってインタヴューの
やり方を見ていました。
  インタヴューされる側に不愉快な感じを与えないという
基本的なことはできていたようでした。しかし、インタヴュー
の内容は、いったいどんな方法で分析するのか、単純に度数か
比率を出すだけで終わるのでは、という感じの内容でした。
これでもこのファーストフード点の経営戦略の参考にはなるの
でしょうが、もう少し心理学的な分析法を考慮したものが
できないものか、と思いました。
  データを集めてから適当な専門家のところに分析の相談に
行くのだろうと思いますが、データを集めてから分析法の
相談に行くというのでは調査の基本が問題だと思いました。私の
ところに来るわけはないので、こんな事を書く必要はないかも
しれませんが、データ収集・分析に関する日頃の疑問と
思って下さい。

  心理学では実験計画法というのがありますが、これは
分散分析法という限定されたモデルに関するものに
なっています。しかし、データ収集一般に関しては、
以前、豊田さんが書いておられましたが、何らかの
理論・仮説を前提とする必要があります。それらの
仮説・理論を検証するモデルと分析法が設定されて
データ収集の計画が立案されることになります。
したがって、実験計画法なるものは分散分析法に
限るものではないと思いますが、実験データを
集めてから分析法を考える心理学の学生さんもいる
ようです。実験を行う前に、この実験でのデータは
分析が可能か、ちょっと考えてから実験をして
欲しいと思っています。

  データ収集 ==> 分析法の選択

ではなく、

  分析方法の検討 ==>  データ収集法の検討

というステップを学生に望みたいと思っています。

  もちろん、分析方法の検討は、実質科学として問題に
している理論・仮説・モデルに依存しているわけですが。


金沢大学文学部
岡本 安晴





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