豊田@早大心理です すこし長いですので興味の無い方は読み飛ばして下さい. 共分散構造分析のセミナーの準備を,現在,進めています.10年前 と比較すると共分散構造分析は,広く利用されるようになり,各種 入門コース,講習会は充実してきました.ところが「入門」の「そ の次」に相当する課程を扱うものが現状では無く,それを日ごろか ら不満に思っていました.今回,SPSSさんからの声かけに乗らせて もらい,「入門の次」に焦点を当てた講習会を企画しています. 10時間の独演会(年3回)なので,知力ではなく,完全に体力が勝負 になりそうです.ちょっと初演を控えた音楽家のような心境ですが, 減量などして体調を調えています(秋から体重が13キロ減りました). 詳しくは,spssジャパンのホームページ http://www.spss.co.jp/index.htm から,関連箇所をたどるか,あるいは直接 http://www.spss.co.jp/training/stokei.htm#kyoubunn を参照してください.片方だけの受講も歓迎します. コース名:共分散構造分析−入門編− 日時:第1回 3月 6日,第2回 7月24日,第3回11月27日,10:00-16:00 対象:全くの初心者の方 概要: パス図による方程式モデルの表現に重点をおいて,数式をまったく 使用せずに,標準的な分析方法を解説します.[入門編]のメインテ ーマは「箇条書ルール,経験則,FAQ」です.統計モデルとして 高度に発達してしまった共分散構造分析を,道具として,手足のよ うに自在に操れるようになるための最短の近道は,数少ない箇条書 ルールを覚えてしまうことに尽きます.たとえば,掛算には「順番 を代えても計算結果は変わらない」という箇条書ルールがあります. このような箇条書きルールは,これから勉強する子供にとっても, 掛け算を十分に理解している大人にとっても重要です.[入門編]で は,とにかく使えるようになる「箇条書ルール」,結果を利用でき るようになる「経験則」,だれもが遭遇する「FAQ」を整理して, 分かり易く提供します. 主な内容: ------午前------------------------- 1.共分散構造分析の概観 1.1 特筆される性質 1.2 広汎な下位モデル 2.構造方程式モデルの骨組み 2.1 変数の種類 2.2 作図の約束 2.3 モデルの特定・識別 ------午後------------------------- 3.共分散構造分析の実行 3.1 係数の解釈. 3.2 推定法と不適解の回避 4.デモンストレーション 5.構造方程式モデルの利用 5.1 モデルの評価 5.2 モデルの改良 6.応用上の実践的諸問題 7.質疑応答 ----------------------------------- コース名:共分散構造分析−応用編− 対象:入門編を受講してるか、もしくは同レベルの知識を持つ方 日時:第1回 3月 7日,第2回 7月25日,第3回11月28日,10:00-16:00 概要: 平均構造の解析・多母集団の解析に重点をおいて,数式をほぼ使用 せずに,実践的な分析方法を解説します.[応用編]のメインテーマ は「共分散構造分析は多変量解析のための簡易高級言語である」で す.共分散構造分析は,しばしば因子間のパス解析として紹介され ます.この比喩は理解しやすいのですが,それにしがみついてしま うと,中級者から上級者へのステップアップを阻害する要因にもな ります.本セミナーでは「高級言語としての共分散構造分析」とい う視点を強調し,構造方程式モデリングに対する新しい展望を提供 します.共分散構造分析は,調査データ専用の解析法ではありませ ん.そのことを,実験データ,時系列データ,多相データ,個人内 データ等の解析事例を豊富に示すことによって,第 2世代の多変量 解析を具体的に解説します. 主な内容: ------午前------------------------------ 1.探索的・確認的因子分析 2.多母集団分析(共分散分析を使って) 3.平均構造による因子の分散分析 ------午後------------------------------ 4.因子の共分散分析 5.3相データの解析 6.特殊因子と測定誤差の分離 7.時系列解析 8.潜在曲線モデル 9.様々な発展的モデルの紹介とまとめ 9.1 トービット因子分析 9.2 非線形・交互作用モデル 9.3 潜在混合分布モデル 10.質疑応答 ---------------------------------------- -- -------------------------------------------------------------------------- TOYODA Hideki Ph.D., Associate Professor, Department of Psychology TEL +81-3-5286-3567 School of Lieterature, Waseda University toyoda (at) mn.waseda.ac.jp 1-24-1 Toyama Shinjyuku-ku, Tokyo 162-8644 Japan --------------------------------------------------------------------------
ここは心理学研究の基礎メーリングリストに投稿された過去の記事を掲載しているページです。