長谷川@岡山大学文学部心理学教室です。 法務省・法務総合研究所が2月に実施した「犯罪被害実態調査」 に関連して 4/2の朝日新聞記事では「性犯罪 被害届け出1割下 回る」という見出しがつけられており、NHKでも同様の報道がありました。 この調査は数年ごとに実施されている国連犯罪司法研究所に参加す る形をとったもので、無作為に選んだ16歳以上の男女3000人に面接調査。 2211人が回答したといいます。 しかし、実際に記事を見ると、過去5年間に性的暴力の被害にあった 人は、回答した女性の約3%にあたる31人にすぎません。 そのうち届けた人は3人というのが「1割下回る」ことの数的な根拠になって いるようですが、この程度のサンプルで「1割下回る」という推定をしても 誤差はかなり大きいように思われます。 こういう比率は調査対象とする女性の年齢層や職種によっても大きく異なる ように思われますが、いかがでしょうか。 _____________________________________________________________ Y.Hasegawa/長谷川芳典 hasegawa (at) cc.okayama-u.ac.jp http://www.okayama-u.ac.jp/user/le/psycho/member/hase/h0u.html
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