[fpr 1821] 一網打尽

豊田秀樹

豊田@早大心理です

Hidemichi Yuasa さんは書きました:
>湯浅秀道@名古屋市立城北病院歯科口腔外科です。
>豊田さんの発言について質問があります。
>高野さんは、「ランダム抽出をしなくてもランダム割付けをしていれば、その割付け
>られた2群の間の(未知の)交絡因子が取り除け、内部妥当性が確保できる。」と
>言っているのであって、ランダム抽出にともなう一般化に影響する、その他の変数は
>影響を除けないので、決して、ランダム割付けさえしていれば、その他のあらゆる変
>数について「一網打尽に」影響を除けるとは主張していないと思っていました。
>本人なしで、どこまで、高野さんの意見を議論してよいかわかりませんが、僕は上の
>ように理解していました。上のような解釈でしたら、豊田さんの主張とかみ合うので
>しょうか?

厳しい質問ですね.この主張は医学統計の多数意見に近いので,「いいえ」と
言いづらいです.現時点の小生の考えは以下の通りですが,南風原さん湯浅さ
ん吉村さんの主張を読むうちに,もう一度時間をかけて自分の考えを確かにしよ
うと思っていたところです.

統計学にストイックに,実質科学に重きを置くなら,ランダム抽出をしないラン
ダム割付け実験は,厳密にはランダマイゼーション検定のメリットしか享受でき
ない.手元のデータには統計的に有意差が見られてももう一度別のデータを取っ
た場合のことは,厳密には統計的には何も言えない.だからと言って実験は無意
味なのではなくて,1つの動かぬ実例として,実質科学的な考察の有力な論拠と
します

--
--------------------------------------------------------------------------
 TOYODA Hideki Ph.D.,  Professor,                Department of Psychology
 TEL +81-3-5286-3567             School of Lieterature, Waseda University
 toyoda (at) mn.waseda.ac.jp  1-24-1 Toyama Shinjyuku-ku, Tokyo 162-8644 Japan
--------------------------------------------------------------------------

スレッド表示 著者別表示 日付順表示 トップページ

ここは心理学研究の基礎メーリングリストに投稿された過去の記事を掲載しているページです。