komori nobuko さんからの引用: > 標本統計量と母集団のずれを示すのが標準誤差だということは勉強会の全員が > 納得できました。さらに、標本統計量から母集団を推計できることもうなずけま > す。しかし、標準誤差は標本統計量の標準偏差であるといわれると何か「分かっ > た」という感じがもてないでいます。 「標本統計量と母集団のずれを示すのが標準誤差」とありますが,標本統計量 というのは,たまたまとられたサンプルで得られる値ですから,このように定 義してしまうと,標準誤差もサンプルごとに変動する(サンプルが違えば値が 違う)ものとなってしまいます。「標本統計量と母集団(正確には母数)との ずれ」は「標本誤差」とよぶほうがよいと思います。 この「標本誤差」は,サンプルごとに変動し,標本統計量が母数の値を超えれ ばプラス,下回ればマイナスとなります。このようにプラスになったりマイナ スになったりと,サンプルによって値が変動するその変動の大きさ(変動の分 布の標準偏差)が標準誤差です。こちらのほうは統計モデルにしたがって理論 的に式が導かれており,サンプルごとに変動するというものではありません。 ここまで書いてきて,前にも同じようなことをfprで書いたような気がして調べ てみたら http://www.nuis.ac.jp/~mat/fpr/fpr1997/0281.html にありました。質問や回答の前に,fprのホームページ http://www.nuis.ac.jp/~mat/fpr/ でキーワード検索してみたほうがよさそうです。 ---- 南風原朝和 haebara (at) p.u-tokyo.ac.jp Tel/Fax:03-5841-3920 東京大学大学院教育学研究科 (〒113-0033 文京区本郷 7-3-1)
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