南風原さんのレスへの蛇足ですが、統計に慣れていない人には 参考にして頂けるかもと思いました。 サンプルの平均値のような標本統計量の標準偏差を標本誤差(標準誤差) ということは次の性質が成り立つということです。ただし、ここでは 標本統計量の期待値が母数に一致するものとします。例えば、標本から 算出した平均値の期待値は母集団の平均値(母数)に一致します。 いま、標本統計量の分布が、母数を平均値、標本誤差を標準偏差とする 正規分布で表される、あるいは近似されるとします。この正規分布による 近似は統計学ではよく用いられている考え方です。 このとき、正規分布の性質から標本統計量と母数との差が標本誤差以内で ある確率はおおよそ Prob(母数ー標本誤差<標本統計量<母数+標本誤差)= 70% となります。あるいは、上式を書き直すと Prob(標本統計量ー標本誤差<母数<標本統計量+標本誤差)= 70% となります。 つまり、標本統計量としての平均値が50で、標本誤差(標準誤差)が 10であれば、50−10から50+10の範囲に母集団の平均値が あることが、大体確率70%で期待できるということになります。 金沢大学文学部 岡本安晴
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