[fpr 1832] (蛇足): 標準誤差

岡本安晴


 南風原さんのレスへの蛇足ですが、統計に慣れていない人には
参考にして頂けるかもと思いました。

 サンプルの平均値のような標本統計量の標準偏差を標本誤差(標準誤差)
ということは次の性質が成り立つということです。ただし、ここでは
標本統計量の期待値が母数に一致するものとします。例えば、標本から
算出した平均値の期待値は母集団の平均値(母数)に一致します。

 いま、標本統計量の分布が、母数を平均値、標本誤差を標準偏差とする
正規分布で表される、あるいは近似されるとします。この正規分布による
近似は統計学ではよく用いられている考え方です。
 このとき、正規分布の性質から標本統計量と母数との差が標本誤差以内で
ある確率はおおよそ

  Prob(母数ー標本誤差<標本統計量<母数+標本誤差)= 70%

となります。あるいは、上式を書き直すと

   Prob(標本統計量ー標本誤差<母数<標本統計量+標本誤差)= 70%

となります。

 つまり、標本統計量としての平均値が50で、標本誤差(標準誤差)が
10であれば、50−10から50+10の範囲に母集団の平均値が
あることが、大体確率70%で期待できるということになります。

金沢大学文学部
岡本安晴






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