[fpr 1840] 主成分分析と因子分析

堀啓造

堀@香川大学経済学部です。

Re: [fpr 1838] Re: 主成分分析と因子分析

繁桝さん丁寧な回答いただきありがとうございました。

私としては,単に,佐伯先生が「因子分析」と呼んでいるあの本で行っている処理を因
子分析と呼ぶのかどうかをお訊きしたかったのです。

Kazuo Shigemasu wrote on Wed, 18 Oct 2000 11:57:27 +0900

> 主成分分析は,(複雑ではあるが),手許にあるデータの記述統計的な方法である.

この記述統計的ということは私も理解しているつもりでいたのですが,実はもっと深い
意味があります。因子分析や主成分分析の専門家の方はとっくにご存知のことと思いま
すが,日心のワークショップではこの「記述的」であることからどういうことが生じる
のかについて一つ例をあげて,因子分析と主成分分析の違いをはっきりとさせます。多
くの方はこんなことがあるのと驚かれるとおもいます。

> うに次元縮約し(2次元や3次元が望ましいと思う),

心理的意味がある次元縮約になるのかどうかについて,ちょっと論じます。もしくはそ
の次元がでることに必然性があるのかどうかという問題ですね。

わたしはおそらく1次元で表されたときに主成分分析の意味がもっともでるのであろう
と思いますが,極論かな。この部分は触れませんが,

というあたりを含めて,主成分分析と因子分析の違いを例解するpowerpointを作った
ら,これだけで50分くらいになりそうです。20分以内に縮めなければ。 

そこから(主観的であってもい

> 以上のようなのが私の理解です.モデルを使う以上,因子分析は,探索的よりも確認
> 的,共分散構造分析的な使い方がむしろ基本ではないかと思います.その点で今度
> の堀さんの講演が,どのような切り口で,因子分析の探索的使い方を論じられるの
> か楽しみです.

趣旨には賛成ですが,探索的因子分析から始めざるを得ないことも多くあります。ま
た,探索的因子分析だからできることもあるようです。

このあたりは,ワークショップでは触れないつもりです。できれば,いままでも対比し
ながら論じておられるので狩野さんにワークショップの中でコメントしていただければ
と思っています。

主成分分析との区別と因子分析の優位性。直交回転と斜交回転の問題。
そして,実用的な問題として,因子数の決定法がメインになります。

今のところ次の予定ですが,(1)が長くなっているので後ろを削るかほんの少し述べるだ
けになりそうです。
(1)主成分分析,因子分析直交解,因子分析斜交解
 (主成分分析より因子分析,直交解より斜交解)
(2)因子数の決定法
(適合度を含む)
(3)共通性の大きさと因子あたりの項目数
(変数のサンプリング,ケース数を含む)
(4)抽出法 ml, uls
(5)回転法(改めて,簡潔性,モデル,直交回転,斜交回転)

今回司会をやっていただく服部さん@筑波大学が教育心理学会総会の質問紙シンポで実
用的な話があったので,それをそのままワークショップでやってもらったほうが良かっ
たかなとか考えてしまいました。おそらく,あのときのレジメで50分以上話せるはず
です。

(3)については同じシンポで村上さん@名古屋大学の信頼性の話のなかでのbroadness
(あれbreadth だったかな?) が面白かったです。

ワークショップは私の発表が60分前後,コメンテーター狩野先生の時間が20分程度
と比較的落ち着いてできるようにしています。多人数が入れ替わり立ち替わりでてきて
も問題が拡散するだけですから。

今回のワークショップの準備中にSPSSのバグを一つ発見して,これは次のバージョンで
修正されるそうです。すでにSPSSときど記に書いています。
http://www.ec.kagawa-u.ac.jp/~hori/spss/tokidoki7.html#77

また,statistica 98 の階層因子分析の2次因子を抽出できないときのダイアログボッ
クスの訳語がおかしいことも発見しました。同じく固有値1以上のはずなのに,最低固
有値を小さく設定しなおさないと指定した因子数まで抽出しないときがあるのを発見。
統計パッケージのバグ発見ツアーのようです。

> ”実践としての統計学”の佐伯先生の章については,数値例を私はチェックしてい
> ませんでした.この本の分担者としてすみません.因子分析に関する見方は佐伯先
> 生とわたしでは若干違いがあるようです.

「因子分析」についてどのような処理をしたのかについて明記していないために見逃し
たということですか。数値例を追っかけるのは少数でしょうね。

なぜあれを因子分析といってはいけなかはワークショップでも明確になるはずです。

もちろん数値ミスについては執筆者以外に責任があるとは思っていません。

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