[fpr 1888] 測定誤差と希薄化の修正

堀啓造

堀@香川大学経済学部です。

雑誌 Intelligenceの editorial として Schmidt,F.L. and Hunter,J.E.(1999)の論文が
あります。相関係数の希薄化を修正した値を論文に使うようにという論文です。その中
で,修正したときに相関係数が大きくなっているということに抵抗を感じる人のためにい
くつか説得的議論をしています。「希薄化の修正」はSEMでは行われることですが,一
般の相関係数ではあまり行われていないのではないでしょうか。彼らの研究領域では増え
ているそうですが。この論文は測定誤差についての簡単な入門にもなってます。

彼ら(1996)はすでにPsychological Methods に希薄化の修正のhow to ものを書いてい
て,こんなやり方があるのということがいくつもありました。例えば,同じ尺度といえる
かというときに希薄化修正後の相関係数が1.0 になるかチェックする。相関係数を扱う方
は読んでおいていいものでしょう。

希薄化修正に信頼性を使うのですが,この係数が信頼できるのという疑問があります。つ
まり,こっちが相関係数と同じく測定誤差によって小さくなっていては,修正は過大な値
になってしまいます。そのあたりを考えるのにPsychological Methods 2000, vol.5(3)
に3本信頼性に関する論文があります。

Osburn(2000)の論文を読むと以外といい測定値なんですね。Cronbach のα係数以外も
チェックされています。でも再テスト法だと???どう考えますか?

しかし,日本ではSEM以外に使われている論文例があるのだろうか? 教えてくださ
い。

測定誤差についてあんまり考えてないよね。日本語でまじめに書いてある論文とか本が
あったら紹介してください。

英語ならStanley, J.C. (1971). Reliability. in R.L.Thorndike(ed.) Educational 
measurement (2nd ed.). American Council on Education なんかがあるのですが。

Schmidt, Frank L.; Hunter, John E. (1996). Measurement error in psychological 
research: Lessons from 26 research scenarios. Psychological Methods, 1, 199-223 

Schmidt,F.L. and Hunter,J.E.(1999).Theory testing and measurement
error. Intelligence,27,183-198.

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