石原です. とある私の論文について,統計学の先生から, もとのデータが平均や相関が計算できるのか, 正規分布になっているかどうか調べよという ご注文がきました. そこで,歪度 (skewness)と,尖度 (kurtosis Ku - 3)を計算したところ, 0.075と-0.562という値を得て, 共にゼロに近く,正規分布に近いという書き方をしました. すると,お返事でどこまでちかけりゃいいのか,客観的でないぞというご意見でした. 調べていると,歪度検定と尖度検定というのを見つけました. (市原清志,1990,バイオサイエンスの統計学,南江堂) 歪度検定は 柴田義貞,1981,正規分布 特性と応用,東京大学出版会 尖度分布は Pearson, E.S. & Hartley, H.O.,1970, Biometrika tables for statisticians, vol.1, Cambridge Univ. Press からの数表の引用でした. 数表の数字をみただけの感想ですが, 歪度検定のほうはこんなものかな,と思いますが,尖度分布のほうは, いかにPearsonといえども,生物統計学のデータでもこれを満たすものは ないのではないかというキビシイ(0に近い)値を要求するものでした. で.歪度のほうはOKでしたが,尖度のほうはやはりNGでした. これを書いて送ると,こんどは歪度や尖度は正規分布でなくても0になる分布は いくらでも考えられるぞというお返事でした. 手元のSPSSのマニュアルをぱらぱら見ると, 歪度,尖度共に絶対値で2以上なら正規性はrejectだと書いてありました. プラクティカルにはそうでしょうね.(でも,SPSSには数値の根拠は書いてありませんでした) そこで,質問です. Q1.この,+-2以内ならOKという理由は何かの研究にあるのでしょうか Q2.上の歪度や尖度の検定以外に,正規分布に近いぞ・遠いぞという指標はないでしょうか. たしかに,歪度,尖度ともに正規分布でなくても0になるデータは考えられます. (森・吉田先生の心理学のためのデータ解析テクニカルブックpp.25の例など) ご存知のかた,おおしえくださいませ. 石原茂和 尾道短大 Shigekazu Ishihara Assistant Prof. Onomichi Junior College 1600, Hisayamada, Onomichi, 722-8506, JAPAN tel:+81-848-22-8311 fax:+81-848-22-5460 E-mail: ishihara (at) onomichi-jc.ac.jp
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