[fpr 1894] 歪度と尖度について

石原茂和

石原です.

とある私の論文について,統計学の先生から,
もとのデータが平均や相関が計算できるのか,
正規分布になっているかどうか調べよという
ご注文がきました.

そこで,歪度 (skewness)と,尖度 (kurtosis Ku - 3)を計算したところ,
0.075と-0.562という値を得て,
共にゼロに近く,正規分布に近いという書き方をしました.

すると,お返事でどこまでちかけりゃいいのか,客観的でないぞというご意見でした.

調べていると,歪度検定と尖度検定というのを見つけました.
(市原清志,1990,バイオサイエンスの統計学,南江堂)
歪度検定は
柴田義貞,1981,正規分布 特性と応用,東京大学出版会
尖度分布は
Pearson, E.S. & Hartley, H.O.,1970, Biometrika tables for statisticians, vol.1,
Cambridge Univ. Press
からの数表の引用でした.

数表の数字をみただけの感想ですが,
歪度検定のほうはこんなものかな,と思いますが,尖度分布のほうは,
いかにPearsonといえども,生物統計学のデータでもこれを満たすものは
ないのではないかというキビシイ(0に近い)値を要求するものでした.

で.歪度のほうはOKでしたが,尖度のほうはやはりNGでした.

これを書いて送ると,こんどは歪度や尖度は正規分布でなくても0になる分布は
いくらでも考えられるぞというお返事でした.

手元のSPSSのマニュアルをぱらぱら見ると,
歪度,尖度共に絶対値で2以上なら正規性はrejectだと書いてありました.
プラクティカルにはそうでしょうね.(でも,SPSSには数値の根拠は書いてありませんでした)

そこで,質問です.
Q1.この,+-2以内ならOKという理由は何かの研究にあるのでしょうか
Q2.上の歪度や尖度の検定以外に,正規分布に近いぞ・遠いぞという指標はないでしょうか.
たしかに,歪度,尖度ともに正規分布でなくても0になるデータは考えられます.
(森・吉田先生の心理学のためのデータ解析テクニカルブックpp.25の例など)

ご存知のかた,おおしえくださいませ.

石原茂和
尾道短大

Shigekazu Ishihara
Assistant Prof.
Onomichi Junior College
1600, Hisayamada, Onomichi, 722-8506, JAPAN
tel:+81-848-22-8311
fax:+81-848-22-5460
E-mail: ishihara (at) onomichi-jc.ac.jp



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