[fpr 1897] 歪度と尖度について

石原茂和

堀先生
(しまった,先生はここでは,なしでしたね)
堀さん,
さっそくありがとうございました.


At 8:02 PM +0900 01.1.18, Keizo Hori wrote:
> 相関係数そのものは正規分布を要求はしていないという議論は以前にあったはずです。おそら
> く,検定するときにそのようなことがからんでくるのでしょう? よくわからない。

えーと,話の背景がなくて,教えてもらい逃げ?は卑怯なので(笑)
プライベートな話ですが,ご説明します.

僕の研究は,自己組織化ニューラルネットワークで
よりベターなクラスター分析を(階層・非階層)つくって,
感性工学評価データ(数十次元のSD法評価値×数十の評価対象,被験者間平均値)
の多次元データを分析するというものです.
(1998年の,行動計量学会大会でシンポジウムで話させてもらいました.
 抄録集には書いてありませんが,その後,分類能力的に従来の普通の計算手法よりも
 いいぞという話になっています.制約はありますが.)
で,これで工学博士をとろうと目論んでいるのですが,
副査の統計学の先生から,そもそもデータは正規分布しているのか?
していないと,中にでてくる主成分分析や
クラスター分析がなりたたんぞ と言われたわけです.
(工学博士とれるかどうかまったくわかりません..
 心理測定データが対象だと,工学部では受けが悪い..)


> お尋ねの件ですが,
> 一変量の正規分布の検定は,D'Agostino & Pearson の検定が一番いいということになっていると
> 思います。
> http://www.ec.kagawa-u.ac.jp/~hori/spss/tokidoki3.html#39
> に書きました。ここに書いてある文献を読んでください。
> SPSSを使える環境なら,スクリプト化してあります。
> http://www.ec.kagawa-u.ac.jp/~hori/spss/spss.html#mnormtest
> にあります。このソフトなら多変量正規分布のチェックもできます。

みせていただきました.なかなかよさそうですね.
論文も入手して勉強したいとおもいます.

> たしか,エクセルでも正規分布の検定をいっぱいできるのが公開されていたはずです。使って論
> 文書いたら,その論文を送れというとこです。

むむ,それも興味津々です.URLなどご存知でしたら,ぜひお教え下さい.
 
> 相関係数で正規分布を要求するのに,1変量正規分布でいいのかな?
> 
よく..ないです.とりあえず,全サンプル×全評価語×全被験者のデータは
正規分布に近いのですが.

多変量正規分布で検討しなければならないのですが,
これが,外れ値がばりばりあるデータです.
(なぜかというと,非常に個性の強い製品は評価で外れ値になります.
 しかも,反応時間などとちがって,外れ値だから分析対象から外すというよりは,
 むしろ重要なサンプルとして,分離して分析する必要がある..
 たとえば,缶ビールの缶の評価だと,
 まっ黄色のYoung's London Lagarとか,縦軸(長軸)方向に-90度回転してラベルが
 印刷されているBudweiserとか ,というわけで,)
そもそも,研究の目的の1つが,外れ値がちゃんと分離されるクラスター分析という
ものなので,
多変量正規分布してないとおもいます.
逆の見方をすると,多変量正規分布している普通のサンプルと,
外れ値のこれらのサンプル,といった論法でかえって補強になるかもしれません.

石原茂和
尾道短大



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