堀@香川大学経済学部です。 おそらくほとんどの方はチェックしていない雑誌だと思うので情報提供します。今のところ PsycINFO(web版) ではひっかかりません。今後も引っかからないかも。 Journal of Consumer Psychology Volume 10 Number 1/2 January 2001 が Methodological and Statistical Concerns of the Experimental Behavioral Researcher の特集を組んでいます。 ちょうど教育心理学会でやって本にした 繁桝・柳井・森『Q&Aで知る統計データ解析 DOs and DON'T』サイエンス社,1999 に似た企画です。本などでおなじみの人も回答者になってます。質問は1998年に一般に公募 してます。編者が関係する学者に回答をもとめそれを編集している。 一つの質問に複数の回答者が別々に答えている項目がたくさんあります。それが面白いです ね。 関連文献や需要事項を手軽に知るのにいいでしょう。 目次 Methodological and Statistical Concerns of the Experimental Behavioral Researcher: Introduction 1 Dawn Iacobucci(編者) You ASCII? We ANSI 3 (質問者と回答者の一覧) Analysis of Variance 5 Continuous and Discrete Variables 37 Measurement 55 Interrater Reliability 71 (項目を立てているが質問は一つ) Factor Analysis 75 Structural Equations Modeling 83 Other Multivariate Techniques 101(クラスター分析,重回帰分析など) Other Statistical Issues 109(外れ値など) Human Participants - Respondents and Researchers 115 NACSIS Webcat http://webcat.nacsis.ac.jp/ で検索した Journal of Consumer Psychology の香大の書誌事項は違ってます。1996年か らとってますが,1999年から揃えているようになってます。香川大学図書館から正しく伝え ていないのでしょうね。 例えば Measurement の章では次の質問 III.A. CRONBACH’S ALPHA ON TWO-ITEM SCALES 2項目の尺度では相関係数を示すべきなのかクロンバックのαを示すべきなのか? III.B. CAN A RELIABILITY COEFFICIENT BE TOO HIGH? これは項目間相関と関係する。まず項目間相関がどの程度が望ましいか。 項目間相関係数の平均 0.3以上(Robinson et al. 1991), 通常0.15〜0.50 ,構成概念が狭く定義されている場合 0.40〜.50 (Clark and Watson , 1995) など具体的数値も示されている。 III.C. WHY CONDUCT A FACTOR ANALYSIS AND THEN COMPUTE AN ALPHA? III.D. WHY USE ALPHA IF IT IS NOT A GOOD MEASURE OF UNIDIMENSIONALITY? III.E. HOW TO COMBINE MULTIPLE ITEMS INTO A COMPOSITE SCORE 重みづけ合計点を使うのか,単純平均もしくは単純合計を使うのか。 実質的にほとんどかわらない。(McDonald,R.P.) III.F. SUMMED SCALES AND WHAT IS A “REFLECTIVE” OR “FORMATIVE”INDICATOR? ここで投稿論文のコメントがよく分からなかったときの対処が書いてある。 →編集者を通じてコメンテータに参考文献を教えてもらう III.G. CONVEYING THE MEAN AND VARIANCE OF VARIABLES IN A COMPOSITE SCORE これはちょっと変な質問。答えは何を測りたいかもっと考えろ。 III.H. COMPUTING BELIEF × EVALUATION SCORES III.I. WRITING THE SURVEY QUESTION TO CAPTURE THE CONCEPT コメントを入れていない項は質問内容を細かく書かなくても大体想像できるでしょう。 編者の回答が一番もさもさしていて読みづらいことが多い。 繁桝・柳井・森(1999)での対応するところは,その他の統計的問題の「(4)信頼性係数」で す。 ---- 堀 啓造(香川大学経済学部)e-mail: hori (at) ec.kagawa-u.ac.jp home page http://www.ec.kagawa-u.ac.jp/~hori/ 電話番号 087-832-1894(直通) fax 087-832-1820(事務室) 〒760-8523(これで香川大学経済学部) 香川県高松市幸町2−1 香川大学経済学部
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