[fpr 1989] tー検定の前提

豊田秀樹

豊田@早稲田心理です


Hiroto Miyoshi さんは書きました:
>> 「標本の数が十分大きいときは,母集団の分布が正規分布から
>> 多少変形している場合でも,tー検定をして間違った判断をしないか」
>> という御質問であれば,答えは「はい」です.
>
>実は、この「多少変形している場合でも」というのが問題なのです。
>なぜ、「平均と分散さえ決まれば、どんな形でもO.K.」といえないのですか?
>(t−検定の手続きをみると、平均の標本分布が正規分布で近似できれば
>それでよいのではないか、と思ってしまうのですが。)
>くどくなりますが、もう少し教えてください。

「どんな形でもO.K.」のO.K.が何を指しているのか正確に伝わって
きませんが,ものすごく変形している分布だと,標本数30くらいで
は,統計量の正規近似が十分でなく,たとえば片側5%の危険率で
検定しようとしとき,片側5%点を(つまり棄却域と採択域を分け
る点を)正確に決められません.このため正規分布表を使用して方
便として定めた5%点を使用すると,統計量が棄却域と採択域の境
目付近に落ちたときなどは,判断を誤る可能性があると言う事です.
さしつかえなければ,所属・専門など自己紹介いただけると幸いです

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 TOYODA Hideki Ph.D.,  Professor,                Department of Psychology
 TEL +81-3-5286-3567             School of Lieterature, Waseda University
 toyoda (at) mn.waseda.ac.jp  1-24-1 Toyama Shinjyuku-ku, Tokyo 162-8644 Japan
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