[fpr 2001] コサイナー法

Takashi TSUZUKI

都築@立教大と申します。
知り合いの研究者(人の体温調節に関する実験的研究)から以下のことを尋ねられました。

ヒトの体温リズム(明け方に最低の体温、午後4時頃に最高体温を示すという日周期を待つ)を2群(2つの老人ホーム、各10人ずつ)で比較したいと思っています。
連続的にデータを取ることが難しかったので、1週間にわたり4時間毎にとったデータをコサイナー法(最小自乗スペクトル法原時系列に直接余弦曲線をあてはめて、周期、振幅、頂点位相を求める方法)を使って、体温の周期、振幅、頂点位相の推定値を個人毎に求めました。その後、それらの周期、振幅、頂点位相に関してを1要因分散分析を行いました。これは、80年代から既に論文に掲載されている方法で、それに従って行ったのですが、今回、雑誌論文として投稿したところ,個人ごとのコサイナー法による推定値を使ってグループ間の比較を行うのではなく、集団としてのデータにコサイナー法を適用してはどうか、と査読者から意見をいただきました。
個人毎にコサイナー法を使うと、個人毎に周期、振幅、頂点位相を有する余弦曲線を求めることはできますが、それらを2群間で比較し、統計的検定を行うにはどういう分析をしたらいいのでしょうか。データから推定されたモデルの値に基づいて、分散分析を行うことは、推測統計学から言えばおかしいとは承知していますが、こうした個人データ毎のモデル推定値に基づくような良い統計的検定法はないでしょうか?

よろしくお願い申し上げます。
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Takashi TSUZUKI    立教大学 都築誉史
School of Social Relations, Rikkyo University
Email: tsuzuki (at) rikkyo.ac.jp
http://ir.sr.rikkyo.ac.jp/~tsuzuki/
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