堀@香川大学経済学部です。 尺度構成などにおいては、それが1次元のものかどうか重要になります。 項目反応理論の本(準備中?)を読んで、1次元であるかを対角1の相関行列 の第1固有値が20%以上を基準に使っているのでちょっと疑問を持ちまし た。 最初は誰がそんなこといってんのという軽いものです。Hattie(1985)をチェッ クしてRechase(1979)であるとわかりました。 Hattie(1985)だとIRTの2母数モデルか3母数モデルの残差の絶対値の合計を使 うのがいいということになってます。固有値の率は失敗(p158)と言ってしまっ てます。 実用上許せる範囲とかの問題もあるでしょう。IRT では今どういうことになっ ているのでしょう。 ---------------- 私は因子分析しか考えてませんが、対角SMCのparallel analysis で1とでたら まず大丈夫。(証明しろといわないでね)。これはちょっときついかもしれま せん。 また、John and Benet-Martinez (2000)はSEM を使って、衝動性と外向性の尺 度を分析していて、これも参考になるかもしれない。しかし、1因子かどうか の決定解とはいえないか。衝動性と外向性の2つの尺度についてそれぞれ2因 子解の因子間相関が0.2, 0.8のどちらのSEMのfit がよいかというもの。これ自 体、衝動性の位置づけとして面白い研究。つまり、衝動性は2つに分かれる が、外向性は1因子となっている。 そのほか前に2因子となっても1因子と見なせる [fpr 1433] 因子分析と両極性 http://www.nuis.ac.jp/~mat/fpr/fpr1999/0099.html も関係する。この話しさらにGreen, Salovey, and Truax(1999)において議論さ れています。この論文には相関行列が載っていますので、各自分析されるとい いでしょう。CFA ではなくてもEFA できれいな結果がでます。このJPSP 感情の 両極性の特集号です。ほかの考え方の論文もあります。 Green, D. P. Salovey, P., and Truax, K. M. (1999). Static, dynamic, and causative bipolarity of affect. Journal of Perasonality and Social Psychology, 76, 856-867. Hattie, J. (1985). Methodology review: Assessing unidimensionality of tests and items. Applied Psychological Measurement, 9, 139-164. John, O. R. and Benet-Martinez, V. (2000). Measurement: Reliablity, construct validation, and scale construction. In H. T. Reis and C. M. Judd (eds.), Handbook of research methods in social and personality psychology(pp.339-369). Cambridge University Press. Reckase, M. D. (1979). Unifactor latent trait models applied to multifactor tests: Results and implications. Journal of Educational Statistics, 4, 207-230. ---- 堀 啓造(香川大学経済学部)e-mail: hori (at) ec.kagawa-u.ac.jp home page http://www.ec.kagawa-u.ac.jp/~hori/ 電話番号 087-832-1894(直通) fax 087-832-1820(事務室) 〒760-8523(これで香川大学経済学部) 香川県高松市幸町2−1 香川大学経済学部
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